2019 Fiscal Year Research-status Report
Tuning topology of graphene toward new class of Graphene properties based on chemical modification strategy
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19K05410
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
高井 和之 法政大学, 生命科学部, 教授 (80334514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 康志 法政大学, 生命科学部, 助手 (20833114)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グラフェン / 化学修飾 / トポロジー / Hummers法 / Brodie法 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンのトポロジーを化学的に変調させる方法として,酸化剤の違いに依存してグラフェンのAB副格子点の対称性は保たれるエポキシ基が多いBrodie法で酸化した酸化グラフェンBGOと,AB副格子点の一方にのみ結合して対称性が破れることから局在磁性を発現させるカルボキシ基が多いHummers法で酸化した酸化グラフェンHGOを合成して,これらを添加した際のアミン(Benzylamine)の脱水素によるイミン(Benzylidenebenzylamine)合成反応における収率,転化率への影響を評価した.この反応はBenzylamineの酸化によるBenzaldoximの生成とBenzaldoximeからBenzaldehydeへの反応は遅く律速となっているのに対し,Benzaldehydeからは先の反応進行は速いと考えられている.HGOを添加した場合の収率はBGOを添加した場合に比べて,50%ほど大きく転化率も2倍ほど大きかった.一方,副生成物である反応中間体Benzaldoximeの生成はBGOの方がHGOの3倍程度になった.これはエポキシ基に比べて還元されやすいカルボキシ基を多く含むHGOはBenzaldoximeの生成が進みやく転化率が高くなるが,カルボキシ基の電離により発生するプロトンが引き続くBenzaldoximeの加水分解も促すことにより,Benzylidenebenzylamineの収率が大きくなるのに対し,BGOで加水分解があまり進行せずに反応中間体であるBenzaldoximeの生成で止まるためと理解された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
使用する酸化剤の違いにより,グラフェン格子に導入される酸素含有官能基の種類を制御して,グラフェン格子のトポロジーがそれぞれ異なる変調を示す試料を合成し,イミン合成反応への添加による生成物や収率,転化率への影響など,グラフェンの化学反応性に関する機能の違いを見出すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,2年目の研究計画としてグラフェンへのフェニル基のラジカル付加とベンゼンの環化付加による,化学的なトポロジー変調を試みており,HGO,BGOと同様にアミンの脱水素反応に対する影響を調べる.また,水素エネルギー利用などに資する触媒への応用も念頭においてアルカンの脱水素反応など別の反応系への適用も検討する.
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Causes of Carryover |
今年度は計画が順調に進み,ほぼ交付額を執行したものの,ごく一部実験を翌年度に実施することとしたため,試薬の購入費として次年度使用額が生じた.
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