2022 Fiscal Year Annual Research Report
Syntheses of carbone-carbene binuclear gold (I) complexes and their development of luminescence property
Project/Area Number |
19K05424
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤井 孝宜 日本大学, 生産工学部, 教授 (00283060)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カルボン / 0価2配位炭素化合物 / 2核金(I)錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
5員環を有する環状カルボンを配位子とする2核金(I)錯体の合成について検討した。5員環カルボン前駆体の合成は,1,2-ジブロモベンゼンから誘導した,1,2-ビス(フェニルチオ)ベンゼンとジヨードメタンをトリフルオロメタンスルホン酸銀存在下で反応させることで, 5員環構造を有する1,2-フェニスビス(フェニルスルファン)カーボン(0)(1)の前駆体である1,3-ジフェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d][1,3]ジチオール-1,3-ジイウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)(1・2H)を合成した。5員環カルボン1は,単離が困難であったことから,今回の目的化合物である2核金(I)錯体 [Au2(1)(PPh3)2](TfO)2は,2当量のAgTfO存在下で1・2Hと2当量のPPh3AuClをアセトニトリル中, 室温でトリエチルアミンと24時間反応させることで合成することに成功した。得られた2核金(I)錯体は,1H, 13Cおよび31P NMRによって同定した。得られた2核金(I)錯体の分子構造を単結晶X線構造解析によって構造を明らかにしたところ, S-フェニル基は,1・2Hと同様にトランス配座をとることが分かった。今回, [Au2(1)(PPh3)2](TfO)2が得られたことによって,単離困難なカルボンにおける2核金(I)錯体の合成方法として有用であることが分かった。
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Research Products
(4 results)