2020 Fiscal Year Research-status Report
Superacid-assisted synthesis of medium-ring fused polycyclic systems
Project/Area Number |
19K05429
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
大谷 卓 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (70339109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超強酸 / 含窒素複素環 / 中員環合成 / 環化反応 / π電子系化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
筆者らは,オルト位にアルキルアリール基を持つアルキニルベンゼンにトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)のような超強酸を作用するとFriedel-Crafts 型アルケニル化反応が進行し、2つのベンゼン環が縮環した7-9員環化合物を構築できることを既に報告している. 本研究は,1) 申請者が端緒を開いた超強酸を用いるFriedel-Crafts 型アルケニル化型の環化異性化反応を発展させて,従来法では合成が困難だった2つのベンゼン環が縮環した中員環化合物の合成法として確立すること,2) この反応を利用して有機半導体しての応用が期待できる含中員環多重縮環パイ電子化合物を合成すること,3) 薬理活性も期待できる中員環を含む新しい含窒素複素環化合物群を創出すること,を目的としている. 本反応の基質の側鎖に窒素原子を導入することで,中員環を有する含窒素複素環化合物の合成を検討した.アミジンにLewis酸や塩基を作用すると,5-endo環化あるいは6-exo環化が進行することは既に報告しているが,アルキン末端部位にアルキル基を有するアミジンに室温でTfOHを作用させると,窒素原子上のフェニル基がFriedel-Crafts型でアルキン部位に付加し,ジベンゾ[d,g][1,3]ジアゾシンを定量的に与えることを見出した.これらの反応で,ハロゲン化アリール基の環化は,室温では緩慢であったが,加熱をしても生成物は複雑にならず,選択性を損なわず環化生成物を与えることを見出し,これにより汎用性を拡大することができた.多重縮環系化合物の合成では,市販品の1,4-ジブロモ-2,5-ジヨードベンゼンを出発原料とし,2度のクロスカップリング反応を行うことで環化前駆体を合成する.これをダブル環化反応させることで2つの中員環を含む5環式化合物の合成にも成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の大きな柱である含窒素複素中員環化合物の合成について,いくつかの重要な反応が選択性高く進行する例を積み上げられている.有機電子材料の合成に向けては所望のダブル環化反応が進行することを見出せた.このように興味深い環化反応の選択性を見出せ,種々の未知,あるいは合成困難な(含窒素)多環式の合成に成功しているので概ね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
アリールペンチレン基(Ar(CH2)5)基を持つ環化前駆体を合成して,環化反応を行うことで10員環を構築ができるか検証する.11員環にも挑戦し,本環化反応の環サイズの適用範囲を明らかにする. 含窒素複素環の合成について論文化を急ぐ. 多重縮環系化合物の合成では,ダブル環化反応により2つの中員環を含む5環式化合物の合成に成功している.これらの二重結合を酸化的に開裂してジケトンなどにすることで,有機半導体候補化合物への変換反応を検討する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍であるにも拘わらず,積極的に物品を購入し,今年度の直接経費の執行率は143%となった.しかし,次年度使用額として,43,153円が生じた.本研究費は試薬や溶媒などの消耗品代に充当し,研究速度を加速させる予定である.
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Research Products
(2 results)