2021 Fiscal Year Research-status Report
基質の官能基と金属触媒の配位子を使い分ける高位置選択的炭素-水素結合直接ホウ素化
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19K05449
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石山 竜生 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00232348)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 炭素ー水素結合活性化 / ホウ素化 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機ホウ素化合物は、取扱いの容易さや低毒性とともに活性化剤の使い分けによる反応制御の容易さから、現代の精密有機合成に欠かすことのできない重要な試薬となっている。例えば、パラジウム触媒を用いる有機ハロゲン化物との鈴木・宮浦カップリングおよびロジウム触媒を用いるα,β-不飽和カルボニル化合物への1,4-付加などの炭素-炭素結合形成法は世界中の大学や企業で利用されており、特に前者のカップリング反応は複雑な炭素骨格を構築するための極めて汎用性の高い方法であり2010年のノーベル化学賞の受賞対象となった。 本研究では、遷移金属触媒による炭素―水素結合の活性化に基づくホウ素化反応の開発、特に同一基質でも置換基の立体効果および配位効果を配位子の種類を使い分けることにより、異なる位置を高選択的にホウ素化する触媒系の開発、反応機構と一般性の解明、および有機合成への有効利用を目的としている。 ヘテロアレーン類における異なる炭素ー水素結合の位置選択的なホウ素化反応の開発 ・反応条件:より汎用性が高くかつ高位置選択的なホウ素化反応を実現するための反応条件(触媒前駆体、配位子、溶媒、添加物、温度など)を精査し、ベンゼン環上の置換基の立体効果を利用する位置選択的なホウ素化においてはイリジウム/2,2’-ピピリジン系触媒、置換基の配位効果を利用するオルト位選択的なホウ素化においてはイリジウム/単座型ホスフィンおよびアルシン系触媒の有効性が明らかにした。 ・ホウ素化剤:ホウ素化剤としてはジボロンおよびヒドロボランが利用可能ことが明らかとなった。またこれら反応剤のホウ素上の置換基も反応の成否を左右することから様々な置換基を有する誘導体を合成し、ピナコールエステルが有効であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究計画は「ヘテロアレーン類のC-H結合直接ホウ素化反応開発」である。基質として置換基を有するヘテロアレーンを用いて、 1. 反応条件 2. ホウ素化剤 の検討を行った。 検討の結果、立体効果を利用する位置選択的なホウ素化においてはイリジウム/2,2’-ピピリジン系触媒、置換基の配位効果を利用する位置選択的なホウ素化においてはイリジウム/単座型ホスフィンおよびアルシンが有効であることを明らかにした。 しかしながら、本年度はコロナ禍のため十分な実験時間が取れなかったことから、研究はやや遅れている
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究推進方策は、「ヘテロアレーン類の適用範囲の拡大」および「アルケン類のビニル炭素ー水素結合の位置選択的なホウ素化反応の開発」である。 様々な置換基を有する、ヘテロアレーン類およびアルケンの位置選択的な炭素ー水素直接ホウ素化について検討を行う。また、これらの検討結果を踏まえ、より立体効果を利用する位置選択的なホウ素化および置換基の配位効果を利用する選択的なホウ素化における、より高活性で高選択的な触媒系の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、実験時間が思うように取れなかったため、研究は当初の予定より遅れている。研究を達成するには実験装置および試薬の購入が不可欠であるため。
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Research Products
(1 results)