2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of the Asymmetric Cycloisomerization Reaction to Directly Provide Nitrogen-containing Spiro Cyclic Products : New Strategy for the Synthesis of Alkaloids
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19K05461
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西川 慶祐 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 講師 (60708064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 善樹 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (90244631)
土江 松美 大阪市立大学, 大学運営部, 技術職員 (90433317)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 天然物合成 / アルカロイド / 不斉合成 / 含窒素スピロ環 / 環化異性化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
含窒素スピロ骨格をもつ天然物群、すなわちアルカロイド類は、癌細胞に対する毒性、抗炎症活性等の生物機能をもつ化合物が多くあり、創薬分野の新規シード化合物として期待できる。しかし、含窒素スピロ環を効率的に構築する手法は限られており、特に光学活性体を量的に供給する際は多工程の変換を必要とする場合が多い。従って、標的とする含窒素スピロ環を、供給容易な鎖状分子を原料として、一段階で不斉合成する反応を開発することは、様々な分野において大変意義深い。令和 2 年度においても、含窒素スピロ環天然物の新規合成戦略を確立することを目指し、直鎖分子から含窒素スピロ環を一挙構築する不斉環化異性化反応を開発することを目的とした。初年度で、環化前駆体である、アミン、アルキン、そしてケトン部位を同一分子にもつ、複数の直鎖分子の簡便な供給法を確立し、水銀触媒を用いる環化反応により供給したスピロ環生成物を用い、エナンチオ過剰率を求める条件を見出した。令和 2 年度は、合成した鎖状分子について、水銀トリフラート触媒と様々な市販のホスフィン配位子を組み合わせ、環化反応の不斉化を検討した。幅白くホスフィン配位子を検討したが、目的の環化体を得られず、ほとんどの場合が原料回収となった。次に、ウレア系の配位子を検討した。西沢らはアリールイン環化反応において、水銀トリフラートのみでは所望の反応があまり進行しなかったのに対し、テトラメチルウレア ( TMU ) を用いると高収率で目的物を与えることを報告している。それを参考にして、光学活性ウレア化合物を独自に合成し、それを水銀触媒と組み合わせて所望の不斉反応を検討した。現在の検討では、目的物であるスピロ環化合物を中程度の収率で得ることができるものの、キラル HPLC の解析によりラセミ体の生成物であることを確認した。三年目も引き続き、対象反応の不斉化に向けて検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請書の計画では、初年度でπ電子親和性触媒を用いる不斉環化異性化反応の確立まで達成する予定であったが、それはかなり甘い計画であった。令和 3 年度も引き続き、対象反応の不斉化に向けて検討を進め、標的とする天然物群の効率的な合成戦略を確立することにつなげたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、鎖状分子からの含窒素スピロ環一挙構築反応について、不斉反応化の検討を実施していく。令和 2 年度の成果として、ホスフィン系配位子を用いるよりもウレア系の配位子の方が水銀触媒との相性が良いことが実験結果から分かったので、さらに詳細な反応条件と原料基質について幅広く検討し、天然物合成の新規合成戦略を確立する。その後当初の計画通り、開発した新規不斉環化反応を用い、難合成天然物、レパジホルミン類およびヒストリオニコトキシン類の新規合成法を確立する。 さらに今年度、合成法を確立したテトロドトキシン類縁体について、同様に開発した不斉環化反応を用い、その光学活性体の供給を達成する。
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Causes of Carryover |
令和 2 年度は、653,717 円の次年度繰り越し分が発生した。新型コロナウイルスによる 2 ヶ月間の大学閉鎖により、研究活動がストップしたためである。また実験用手袋やガラス器具等の消耗品の購入を、本科研費とは別の財源で対応したため、未使用予算がさらに膨らんだものと考えている。令和 3 年度については、本研究課題にさらに集中して取り組む予定であり、合成試薬および溶媒の購入費も例年以上に増えると予想できるので、それをもって研究費を使い切る予定である。可能な限り計画に基づいて、研究費を執行していくように努めたい。
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Research Products
(18 results)