2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of C-H bond-cleaving intramolecular addition reactions toward the facile construction of effective cyclic frameworks
Project/Area Number |
19K05481
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
南 安規 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60613362)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 不飽和結合化合物 / 付加反応 / 環状化合物 / 有機ケイ素化合物 / 金属触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物活性分子および有機電子材料分子のほとんどは環状骨格を有しており,未来においても最重要骨格として重宝されることは想像に難しくない.その一方で,これら有益な環状化合物の構造は複雑化をたどり,煩雑かつ多廃棄物型の合成プロセスが必須になった.本研究では,申請者が独自に開発している「パラジウム/有機酸協働触媒によるアルキンの活性化法」を活用して,ビニル炭素-水素結合および脂肪族炭素-水素結合を切断してアルキンに分子内付加させる新規環化反応を開発し,合成中間体としての有用性に加えて薬学的に関心の高い含ケイ素環状化合物を中心に,既存法では直截構築が難しい複素芳香族化合物や脂環式化合物を合成標的としている. 本年度は前年度に引き続き,まずビニル炭素-水素結合を触媒によって切断し,分子内でアルキニル基に付加させる分子内挿入環化反応によるシロールの合成を研究した,前年度に研究で開発していた触媒条件をさらに最適化することにより,高収率,選択的にシロールを生成することに成功した.これは,ケイ素上の置換基と金属配位子との立体反発を避けつつ,金属中心が標的結合にうまく接近するように反応箇所を設計できたことにより成し遂げたものである.今後は,反応の基質汎用性を評価し,論文投稿につなげる.加えて,当初の計画どおりアルキルシランの直接活性化の研究にも着手しており,触媒条件を工夫,具体的には光照射下,光レドックス触媒を併用することによって,期待した不飽和結合化合物への付加に成功した. 本手法は,当初の計画にあったシラシクロヘキサン類の構築だけでなく,新しいシランカップリング剤の合成法としても応用できる.また,本研究計画で見出した触媒法を基盤に,フラノアセン類の系統的合成およびバイオマスのフルフラール類の直接アルケニル化の開発にも成功している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度は研究環境の変化が重なったことが多少の影響を与えたが,2020年度は概要で述べたとおり,順調に推移している.当初の計画どおり,アルキニルアビニルシランの炭素-水素結合活性化に成功し,多置換シロールの合成に成功している.同時に,アルキルシランのアルキル炭素-水素結合の活性化に成功し,不飽和結合化合物への付加反応による有用ケイ素化合物の合成に成功している.また,本研究で見つけた手法を基にさまざまな環状骨格の形成,環状骨格の新規修飾法の開発にも成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,最適化触媒反応条件をもとに計画している分子内付加反応の開発を推進し,多置換シロール,および有用ケイ素化合物を合成する研究計画の達成を目指す.後者のアルキル炭素-水素結合の活性化について,概要で説明したとおり,光照射,光レドックス触媒が有効とわかったので,この改良触媒法を下に効率よく標的結合を活性化できる触媒条件を探索,最適化し,生成物の収率向上,およびさまざまな有用ケイ素化合物の合成を達成する.
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Causes of Carryover |
本年度の研究実績の概要などで示したとおり,研究自体は順調に推進できたものの,昨年度に引き続き今年度もCOVID-19の万円の影響もあり,計画していたほどの薬品類および消耗品類の購入することができなかった.しかし,研究の進捗とともに触媒条件の改良が進み,購入すべき薬品類および消耗品類が増えるとともに,研究の効率化によってより簡便に網羅的に実験を実施できるようになった.したがって,計画自体に変更はなく,今後必要な品を購入し,研究に使用することになる.
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