2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Reductive Carbon-Carbon Bond formation with Dihydrogen as an Electron Source
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19K05503
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷田部 剛史 九州大学, 工学研究院, 助教 (00748387)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 水素 / 還元的カップリング / アリール化 / 二酸化炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である水素の電子を利用した炭素ー炭素結合生成反応において、(1)ハロゲン化物とCO2とのカップリング反応、(2)C(sp2)-C(sp2)間でのクロスカッ プリング反応、(3)C(sp3)-C(sp3)間でのカップリング反応を学術論文として報告した。 (1)従来の酢酸合成法であるモンサント法で利用されるCOの代わりに、二酸化炭素と水素の電子を利用することで、酢酸合成に成功した(Chemical Communications, 2021, 57, 4772)。 (2)これまで、芳香族化合物のC-H結合のアリール化によってビアリールを合成する際には、高温条件もしくは犠牲試薬を使用する必要があった。本研究では、水素の電子を利用することで、室温での芳香族化合物のC-H結合を直接アリール化する反応を達成した(Chemistry-A European Journal, 2021, 27, 17326)。 (3)還元的カップリング反応には、金属還元剤をはじめとする犠牲還元剤が必要であった。本研究では、水素の電子を用いて、C(sp3)とハロゲンの結合をもつハロゲン化物同士を還元的にカップリング反応することに成功した(RSC Advances, 2021, 11, 39450) 現在、シモンズスミス型のシクロプロパン反応においても、水素の電子を利用した触媒反応の構築に成功しており、学術論文への投稿準備中である。 また、今後の展開として、光エネルギーの利用も視野に入れており、天然の藻類から単離した色素分子を有するイリジウム錯体の合成にも成功している。現在、その内容を学術論文に報告した(Journal of Organometallic Chemistry, 2022, 964, 122302)。
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Research Products
(4 results)