2022 Fiscal Year Annual Research Report
Basic Chemical Research on Active Oxygen in Fine Bubbles for Food Science
Project/Area Number |
19K05507
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
倉橋 拓也 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (90353432)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オゾン / ファインバブル / アルコール酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
オゾンファインバブルと水溶性アルコール類の反応を検討した。昨年度までのC4のブタノールを用いる研究の結果、1級アルコールも2級アルコールもほぼ同じ速度で酸化されて、アルデヒドやケトン、カルボン酸を与えることがわかった。今年度は、炭素数の少ないC3のプロパノールやC2のエタノール。C1のメタノールとの反応を検討した。 C3のプロパノールとオゾンファインバブルを反応させると、プロパノールの減少に伴い酸化生成物であるプロピルアルデヒドとプロピオン酸の生成が確認された。プロピルアルデヒドの生成量は反応初期に一定量に達してその後は変化がないのに対して、プロピオン酸の生成量は経時的に増加することがわかった。C4のブタノールの場合と比較すると、原料アルコールの消失速度や酸化生成物の生成速度が全く同じであった。この結果、オゾンファインバブルに対する反応性はC3プロパノールもC4ブタノールと変化がないことがわかった。 一方、C2のエタノールとの反応でも、エタノールの減少と酸化生成物であるアセトアルデヒドと酢酸の生成が認められる点はC3プロパノールとC4ブタノールと全く同じであった。しかしエタノールの酸化効率は、プロパノールやブタノールと比べて顕著に低下した。エタノールのアルファ位炭素ー水素結合の結合エネルギーは、プロパノールやブタノールのアルファ位炭素ー水素結合の結合エネルギーとは大きくは変わらない。したがってエタノールに対する酸化効率の低下は基質側の要因ではないと推測される。 C1のメタノールとの反応では、酸化効率がエタノールに比べてさらに低下した。さらにオゾンファインバブルとの反応でメタノールが減少するに伴い、ギ酸の生成は確認されずホルムアルデヒドが経時的に増加した。 これらの結果から、オゾンファインバブルの反応では基質の脂溶性が寄与しているのではないかと推測している。
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