2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of photocatalytic systems for the production of C2 compounds
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19K05511
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
森本 樹 東京工科大学, 工学部, 准教授 (40452015)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多量体 / 電子アクセプター / 多電子貯蔵 / 強発光性 |
Outline of Annual Research Achievements |
光化学反応を利用して多電子を貯蔵し、多電子還元反応を効率良く進行させることが期待される分子素子として、安定な還元種を生成する電子アクセプターのオリゴマーを設計・合成した。電子アクセプターとして、N-アリールフタルイミドとN-アリールナフタルイミドを選択し、それらをアセチレンまたはジアセチレンで連結した電子アクセプターのオリゴマーを合成した。まず、イミド基を有する芳香環上とN位のアリール基上にそれぞれハロゲン基を導入したフタルイミドまたはナフタルイミドを、高収率で得る合成ルートを最適化した。そのジハロゲン化体に対して薗頭カップリング用いることで、エチニル基を1個または2個もつ単量体を合成した。次に、得られた単量体を薗頭カップリングやグレーサーカップリングによって連結し、それらの二量体の合成・単離に成功した。電気化学測定により電気化学特性を解析したところ、合成した二量体が期待通りに多電子を安定的に貯蔵しうることが示唆された。また、各種分光学的手法によって光物性を調査したところ、これらの二量体は紫外光から可視光を吸収し、強発光性を示すことを見出した。特に、ジアセチレンを架橋部として、2個のナフタルイミドを特定の位置で連結した二量体は、発光量子収率96%を示すことがわかった。このことからこれらのオリゴマーは、光化学反応に基づく多電子還元反応を促進するユニットとして機能するだけでなく、強発光性を示す新たな発光性分子として期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的としていた、多電子を蓄積しうる電子アクセプターのオリゴマーの合成・単離に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は多数のサンプルに同条件で光照射を行える機器を導入することができ、光触媒能の評価を迅速に行えるようになった。この機器を用いて、昨年度と今年度の成果から最も効率的に二酸化炭素還元反応を進行させると考えられる光触媒系の機能評価を中心に行なっていく。
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Causes of Carryover |
今年度に合成を計画していた化合物の合成経路を想定よりも順調に最適化でき、物品費の一部を使用しなかった。また、参加を予定していた学会がオンライン開催になり、その旅費分を使用しなかった。次年度は、今年度新規に導入した光照射装置を用いて光触媒の評価を迅速に行う予定である。そのため、次年度分として請求した助成金に加えて、次年度に繰り越された分を用いることで、専用ガラス器具および試薬を予定よりも多く購入し、さらに効率的にその機能評価を行う予定である。
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[Journal Article] Increase in CO2 reduction rate via optical near-field effect2020
Author(s)
Takashi Yatsui, Yuki Nakamura, Yosuke Suzuki, Tatsuki Morimoto, Yuma Kato, Muneaki Yamamoto, Tomoko Yoshida, Wataru Kurashige, Nobuyuki Shimizu, Yuichi Negishi, Kenji Iida, Katsuyuki Nobusada
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Journal Title
Journal of Nanophotonics
Volume: 14
Pages: 046011-1 - 10
DOI
Peer Reviewed
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