2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of minimally invasive blood glucose sensors based on near-infrared emitting upconversion nanoparticles
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19K05540
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
遠田 浩司 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (60212065)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オプティカル血糖センサ / コアシェル型ランタノイドナノ粒子 / ビスベンゾボロキソール型グルコースレセプター / レセプター感受性近赤外吸収色素 / 競争的錯形成反応 / 内部フィルター効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚組織による光学的妨害の極めて小さい近赤外光(NIR)を発するアップコンバージョンナノ粒子(UCNPs)に基づく血糖センシングフィルムを開発することを目的とし,令和3年度はUCNPsの発光波長である800nmの近赤外光を効率良く吸収するレセプター感受性azaBODIPY色素の開発と,近赤外発光糖センシングフィルム組成の最適化を行い,得られたセンシングフィルムのグルコースに対する近赤外発光応答の評価を行った。 1. カテコール部位と二つのフェニル基,固定化部位としてのブチニイルオキシベンゼンを有するレセプター感受性azaBODIPY色素は,レセプターとの錯形成に伴う800nmでの吸光度変化が小さく,UCNPs発光に対する十分な内部フィルター効果をもたらすことができなかった。そこで,レセプター感受性色素の分子設計と一連の合成を行なった結果,チエニル基と固定化のためのメチルプロピオニイルアニリンを導入したチエニルアニリノazaBODIPY色素がレセプターとの錯形成に伴い800 nmにおける大きな吸光度変化を示すことを見出した。 2. グルコースに対して最大の近赤外発光応答するUCNPsに基づく血糖値センシングフィルを構築するために,センシングフィルムへのチエニルアニリノazaBODIPY色素及びbis-BBグルコースレセプターの固定化量について詳細な検討を行った。その結果,センシングフィルムへの色素及びレセプター固定化量は最適な量が存在し,フィルムを構成するモノマーに対し0.63 mol%のレセプター及び色素を含むセンシングフィルムがグルコースに対して最大の近赤外発光応答することを見出した。このセンシングフィルムは,グルコース濃度が0 mMから100 mMへ増大すると800 nmにおける近赤外発光強度が10.6%増大する。
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