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2019 Fiscal Year Research-status Report

パラジウム錯形成に駆動される自己組織化パラジウムナノ構造固体触媒の開発

Research Project

Project/Area Number 19K05571
Research InstitutionKanagawa University

Principal Investigator

貝掛 勝也  神奈川大学, 公私立大学の部局等, 教務技術職員 (20437940)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金 仁華  神奈川大学, 工学部, 教授 (60271136)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsテオフィリン / パラジウム / 自己組織化ナノ構造触媒 / 鈴木-宮浦カップリング反応
Outline of Annual Research Achievements

パラジウムと錯形成させるダブルキレート分子を合成した。2分子のテオフィリンが長さの異なるアルキル鎖(炭素数3~12)でつながれたネックレスチェーン様分子を、アルカリ触媒存在下、アルキルジブロマイドとテオフィリンとの反応により合成した。合成した10種類のダブルキレート分子をエタノールに溶解し、塩化パラジウム水溶液と混合することで、テオフィリンがパラジウムと配位した錯体を形成し黄色粉末状のパラジウム錯体を得ることができた。得られたパラジウム錯体を評価するために、固体NMR、UV、元素分析、TG、XRD、SEM、TEM、の分析装置により詳細に評価した。固体NMR、UV、元素分析、TGの結果から、その化学的構造は1分子のダブルキレート分子と1分子の塩化パラジウムとの1:1錯体であることが確認された。また、SEM、TEMより、球状で特徴的な表面構造とモルフォロジーを有するナノ構造パラジウム錯体であることが判明した。XRDより錯体同士が密にパッキングした高度秩序型集合体であると評価した。本研究により、内部にパラジウムを極めて均一に分散させた状態で固定化した触媒を簡便に創製できることを明らかにした。
このような特徴を有する錯体を、鈴木-宮浦カップリング反応の触媒として利用展開を継続している。作製した10種類の触媒はすべて、カップリング反応の触媒として機能することを確認した。本年度は、フェニルボロン酸とブロモベンゼンを用いたビフェニル合成をモデル反応として、反応温度、反応時間、触媒量等の最適合成諸条件を導き出すことができた。さらにその触媒活性は極めて高いものであり、高転嫁率と繰り返し利用耐性が見込まれることが判明したことから、引き続き繰り返し実験の条件検討を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

パラジウムと錯形成可能なダブルキレート分子であるテオフィリン化合物を10種類合成し、さらにそれらとパラジウムとの錯体を得ることができた。構造確認や物性評価により、明確な物性を確認するに至った。得られた錯体を触媒として用いることで、市販のパラジウム触媒と比較して高い触媒効率を示し、かつ再利用も可能であることを明らかとした。また、触媒効率の改善をも発現しており、カップリング反応時に加熱することなく室温以下でも触媒できたことは、予想よりも高い触媒活性があることを示唆している。
以上のように、テオフィリンパラジウム錯体が鈴木-宮浦カップリング反応の優れた触媒として有効であることを、高い触媒効率と繰り返し利用可能性の観点から明らかとしつつある。

Strategy for Future Research Activity

これまでテオフィリンパラジウム錯体を、フェニルボロン酸とブロモベンゼンを用いたビフェニル合成により鈴木-宮浦カップリング反応の触媒として利用可能であるかを検証してきた。その結果、最適合成条件を求め、触媒性能を評価して高い触媒性能を有していることが判明したことから、次に反応基質を官能基の異なる種々の合成基質を用いた合成を行い、触媒としての機能性や選択性等の特徴を明らかとする。さらに、工業的展開も視野に入れ、高価なパラジウムの有効利用を推進するために、繰り返し利用回数を劇的に伸ばすような利用形態を展開する予定である。

Causes of Carryover

いくつかの試薬において、国内在庫がないことから海外からの輸入による調達を行った際、納品の予定に遅れが生じたため、当該予定よりも使用残額が発生した。
実施予定であった合成を次年度に実施するため、必要な試薬など消耗品を購入する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2020 2019

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] ナノ構造化パラジウム触媒充填の流動式連続リアクターにおけるC-C カップリング反応2020

    • Author(s)
      松尾 和樹・貝掛 勝也・金 仁華
    • Organizer
      日本化学会第100春季年会
  • [Presentation] テオフィリンを配位子としたマイクロ粒子型パラジウム吸着剤2019

    • Author(s)
      貝掛勝也、高田将文、金仁華
    • Organizer
      第30回廃棄物資源循環学会研究発表会
  • [Presentation] テオフィリン配位由来のパラジウム系自己組織化ナノ構造体及び触媒機能2019

    • Author(s)
      貝掛 勝也・城 直生・金 仁華
    • Organizer
      第68回高分子討論会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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