2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of Self-regenerating type Silk Vascular Graft for Artery and Vein
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19K05609
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
朝倉 哲郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (30139208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 綾 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70334480)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 絹人工血管 / 高機能化絹 / 絹多孔質コーティング / ダブルラッセル編み / 動物移植評価実験 / 動脈・静脈用絹人工血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
高機能化絹を用い、絹人工血管の作製技術と動物移植評価実験による臨床研究を組み合わせて、生体に移植後、一定の期間を経て絹が効率よく分解し、かわりに、自己の血管が再生するように設計された自己再生型の動脈および静脈用の小口径絹人工血管を開発することを目的として、実験を行った。すなわち、 1.血管内皮細胞増殖因子(VEGF)等を導入することによって人工血管用に改変した高機能化絹(通常の絹と比較して、内皮細胞の早期の接着性が格段に高く、逆に、血小板粘着性は格段に少ない)の生産を行った。すなわち、研究協力者の桑原博士によって群馬県蚕糸技術センターにて、トランスジェニック(TG)蚕を用いて多量に本高機能化絹を生産した。2.研究協力者の福井経編興業㈱において“ダブルラッセル編み機”を用いた独自の経編み技術を用いて、ラット移植用およびイヌ移植用の絹人工血管基盤を、各々、動脈用および静脈用に作り分けて作製した。3.農工大研究代表者の研究室で、移植用の小口径絹人工血管を試作した。すなわち、福井経編興業にて作製された動脈用および静脈用絹人工血管基盤上に、高機能化絹をコーティングした。その際に、絹にグリセリンを加えて不溶化させて基盤上にコーティングを施した後、水中でグリセリンを除くことによって、多孔質のスポンジ状の絹のコーティングを行った。絹のコーティングの改良は、試作品について、適宜、固体NMR等を用いた評価を通して行った。4.試作した動脈用及び静脈用小口径絹人工血管のラットおよびイヌへの移植を、研究分担者の農工大獣医の田中研究室にて開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記述したように、研究計画に従い、 1.血管内皮細胞増殖因子(VEGF)等を導入することによって人工血管用に改変した高機能化絹の生産を行った。 2.“ダブルラッセル編み機”を用いて、ラット移植用およびイヌ移植用の絹人工血管基盤を、各々、動脈用および静脈用に作り分けて作製した。 3.農工大研究代表者の研究室で、移植用の小口径絹人工血管を試作した。すなわち作製された動脈用および静脈用絹人工血管基盤上に、高機能化絹のコーティングを施した。 4.試作した動脈用及び静脈用小口径絹人工血管のラットおよびイヌへの移植を、農工大獣医の田中研究室にて開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
高機能化絹でコーティングを施した絹人工血管の改良については、動物移植実験の結果を勘案しながら、今後、進めていく。
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Causes of Carryover |
試料管等のNMR関連の予算が余るとともに、絹人工血管作製用の試薬の購入等を抑えることができた。 次年度の配分額は少ないので、この余りの予算を使用予定である。
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Research Products
(15 results)