2021 Fiscal Year Annual Research Report
分子増殖反応を用いた光反応性材料の超高感度化の原理検証
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19K05621
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
有光 晃二 東京理科大学, 理工学部先端化学科, 教授 (30293054)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カチオンUV硬化 / アニオンUV硬化 / 酸増殖剤 / 塩基増殖剤 / 高感度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度については、まず2020年度に合成した酸増殖剤をエポキシ樹脂と組み合わせてカチオンUV硬化特性を調べた。エポキシ樹脂であるYX8000と、樹脂に対して10 wt%の酸増殖剤を含む塗膜をガラス基板上に製膜し254 nm光を所定量照射後、100 oCで加熱し、鉛筆硬度測定によりその膜の硬度を測定した。その結果、加熱温度100 oCにおいて 50 mJ/cm2の露光量から膜の硬化が見られた。また加熱時間と露光量を増やすことで、最高硬度Hの硬化膜が得られた。これは、露光によりAA-PF6が分解して生じた酸がエポキシ樹脂と反応するとともに、AA-PF6の酸増殖反応が起きることで新たな酸が発生し、エポキシ樹脂の開環重合を促進したためだと考えられる。 また、2020年度に合成した塩基増殖剤については、エポキシ樹脂(Ex-614B)とチオールモノマー(PE)の混合物に、光塩基発生剤(PBG)3 mol%、および塩基増殖剤を1.5~6.0 mol%加えた液状塗膜に、365 nm光を所定量照射し、50 oCで5分間加熱したところ、実用的硬度である5Hを示した。PBG 3 mol%だけでは塗膜の硬化はみられなかったので、塩基増殖剤を添加することアニオン硬化反応が促進されたことが理解できる。
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Research Products
(8 results)