2020 Fiscal Year Research-status Report
新規メカノクロミックアモルファス分子材料の創出とアモルファス化度評価法の開拓
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19K05625
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 英之 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (00222167)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メカノクロミック発光材料 / アモルファス分子材料 / アモルファス化度 / 光化学反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
メカノクロミック発光特性を有すると同時に光反応性を有する新しい発光性アモルファス分子材料を創出し、それらを用いたアモルファス化度の評価方法を開拓するとともに、アモルファス化度とメカノクロミック発光特性との相関を解明することを目指して検討を進めている。令和元年度には、光反応性かつ発光性の官能基であるシアノスチルベン骨格やアントラセン骨格を有するいくつかの新規アモルファス分子材料を設計・合成し、これらの分子がソルバトクロミック発光ならびにメカノクロミック発光を示すことを確認している。 令和二年度には新たに、これまでに合成した化合物と類似の骨格構造を有する新規アモルファス分子材料 N,N-bis( 4-metylphenyl)-4-(2-cyano-2-{4-[6-(4-metylphenyloxy)hexyloxy]pentyl}ethenyl)aniline ならびに 9-[4-(dimesitylboryl)phenyl]-10-phenylanthracene を設計・合成し、これらの分子の発光特性をモルフォロジー(結晶およびアモルファス状態)と相関させて明らかにした。 さらに、令和元年度に合成した化合物を含め、一連の新規アモルファス分子材料の蛍光寿命や発光量子収率を含めた発光特性を、溶液、結晶、スピンコート法により作製したアモルファス薄膜状態の三種の異なる環境で検討するとともに、各化合物のそれぞれの状態における光反応性も検討し、いずれの分子についても物質のおかれている状態に依存して発光特性や光反応性が異なっていることを明らかにし、光反応性が分子の配向状態などの指標となりえることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たな二種類の新規化合物を設計・合成するとともに、令和元年度に合成した三種類の化合物も含め、一連の新規材料について、溶液、結晶、スピンコート法により作製したアモルファス薄膜状態の三種の異なる環境で、蛍光寿命や発光量子収率を含めた発光特性の詳細を明らかにするとともに、それぞれの状態における光反応性を検討し、いずれの分子についても物質のおかれている状態によって発光特性ならびに光反応性が異なることを明らかにして、光反応性が分子の配向状態などの指標となりえることを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
分子構造の一部をさらに修飾・置換した類似の新規化合物を設計・合成するとともに、これまでに合成した分子ならびに新規分子のアモルファス膜を様々な方法で調製してそれらの発光特性ならびに光反応性を検討し、光反応性の膜作製方法依存性をアモルファス化度の観点から考察するとともに、あわせてメカノクロミック発光特性との相関を明らかにして、メカノクロミック特性とアモルファス化度との関連性の解明を目指す。
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Research Products
(5 results)