2023 Fiscal Year Annual Research Report
Novel liquid crystalline compounds: the phase transition mechanism of calamitic-discotic bimesomorphism
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19K05630
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
清水 洋 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特任教授 (40357223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40221197)
内田 欣吾 龍谷大学, 理工学部, 教授 (70213436)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 液晶 / 双液晶性 / 分子変形 / アゾベンゼン / トリフェニレン / カラムナー相 / スメクチック相 / 光誘起相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
カラミチックーディスコチック双液晶性化合物(カラミチック液晶性(棒状分子の示す液晶性)とディスコチック液晶性(円盤状分子の示す液晶性)を単一化合物種で示す)であるトリフェニレンのヘキサテトラデシロキシアゾベンゼンエステル誘導体(1-C14-3)のアルキル同族体の熱相転移挙動の全貌の解明に引き続きエステル結合基をより屈曲性に富むエーテル結合基に置き換えたエーテル類縁体の液晶性を検討した。その中で末端アルキル炭素数が12の化合物(C12)について合成及び精製を行い、その熱相転移挙動を温度制御ホットステージ付き偏光顕微鏡、示差走査熱量計、高輝度X線を用いたX線散乱測定により検討したところ、この化合物は同じアルキル鎖長を持つエステル類縁体がカラミチック相であるSmA相とディスコチック相であるColob相のみを示すのに対して、高温側からSmA相及びColob相を発現することに加え、その低温側にさらに4つの液晶相を示すことが見出された。C12エーテル類縁体では、カラミチックーディスコチック双液晶性は保持されたが、アゾベンゼン部とトリフェニレン部を繋ぐ結合基の柔らかさが液晶状態での分子パッキングに多様性をもたらしたと考察された。相転移の詳細はこれからの研究を待たねばならないが、エーテル類縁体ではアルキル炭素数が11以上、14までの化合物でこのような液晶相の多様性が認められその中にはカラミチックーディスコチック双液晶性が見られない化合物も存在していることが示唆された。一方、高速AFMを用いた分子の動的変形とそれに伴う相転移を直接観察する試みは、カンチレバーの微変動をレーザ光検出する装置では液晶状態での分子の大きな揺らぎにより像を得るには更に工夫が必要であることが判り、今後の研究課題となった。本研究は今後も科研費新規課題(24K08393:令和6-8年度)の中で引き続き研究を行う。
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Remarks |
受賞者の岡明澄さんは龍谷大学先端理工学部応用化学科内田研究室4回生
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