2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K05642
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 建治 北見工業大学, 工学部, 教授 (30312820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉坂 純一郎 北見工業大学, 工学部, 准教授 (00599227)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ガラス / ホログラム / コロナ放電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、一般的な窓ガラスを用いた環境にやさしいホログラム採光窓の作製を目的とする。ホログラムとは、レーザー光の干渉縞を記録したものであり、窓ガラスにホログラムを記録することにより、太陽光を最適な方向に回折させ、効率の良い採光を可能にする。記録時にガラス自体の性能を劣化させることがなく、記録されたホログラムは、高温下や紫外線下でも消去されないという大きな特徴を有している。耐環境性に優れたホログラム採光窓の設計技術を確立し、社会に普及させることで省エネルギー化に貢献する。 初年度は、ガラス上に光導電性ポリマー材料をコートし、光導電性の評価を行った。コロナ帯電しながら光照射し、最適なホログラム記録条件を検討した。コロナ帯電装置とホログラム記録装置を一体化することにより、ワンステップホログラム記録装置を試作した。今後は、ホログラムをガラス内部に高速かつ大面積で記録する技術を確立する。従来の光干渉法に加え、レーザー光描画でもガラスにホログラム記録が可能かを総合的に検証する。 ガラス内部に生じている屈折率分布(イオン分布)を詳細に知ることができれば、加工時のイオン移動・置換のメカニズムをより明らかにすることができる。さらに精度・効率の高い加工が期待できる。しかし、イオン分布は高い分解能を持つ電子顕微鏡や原子間力顕 微鏡では原理的に計測できないため、今後、可視光を用いた計測手法を提案し、検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り光導電性ポリマー材料の評価および、帯電装置の試作を実施し、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に試作した、コロナ帯電装置とホログラム記録装置の一体化による、ワンステップホログラム記録装置の稼働を目指し、最適な記録条件を評価する。また、ガラス表面のような明瞭な屈折率境界と、内部の小さく不明瞭な屈折率分布を同時に有する試料からの散乱波を計算するための定式化を行う。次年度は、新型コロナの影響で、研究計画に変更が生じる可能性がある。
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Causes of Carryover |
新型コロナにより、年度末に予定していたにより、出張が複数キャンセルになったことにより、残額が生じた。繰越額は、次年度、ホログラムの評価機器に用いる予定である。
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