2021 Fiscal Year Annual Research Report
構造変換反応によるサブナノメートル錯体細孔の合理的合成とガスふるい材料への応用
Project/Area Number |
19K05661
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
高嶋 洋平 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 講師 (40720652)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多孔性金属錯体 / 構造変換 / ガス分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来法では合成が困難であるサブナノメートル細孔を有する多孔性金属錯体の合理的合成とガスふるい材料への応用を目的としており、これまで多孔性金属錯体が示す構造変換反応を用いることで、通常では合成が困難な微小細孔を有する多孔性金属錯体を合成することに成功してきた。今年度は得られた微小細孔を有する多孔性金属錯体の詳細について調べることでガスふるい材料への利用可能性について精査した。 アミノ基を有するアルミニウムベースの多孔性金属錯体にカルボン酸塩化物を作用させることでさまざまな置換基を骨格に導入した後、得られた多孔性金属錯体を構造変換させることにより、微小細孔を有する異なる多孔性金属錯体を得た。本多孔性金属錯体は金属イオンと有機配位子から直接作ることは困難であり、本研究で初めて得られたものである。得られたサンプルをXRD測定により評価したところ、立体的に大きな置換基を使うほど構造の歪みが大きくなり、また、結晶性も低下することが明らかになった。またTEM観察により得られたMOF粒子の形態を確認したところ、結晶の形態に規則性はなく結晶性が低いことを反映した結果となった。結晶性が低いものの、微小細孔を有する多孔性金属錯体が得られたため、今後はこれらをガスふるい材料として利用するための膜化の検討を行っていく予定である。膜化の方法としては、溶媒を用いず構造変換させることで結晶同士を融合させるという新たな方法を現在検討中である。また結晶性の高い多孔性金属錯体を得るための反応条件も同時に探索してく予定である。
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Research Products
(13 results)