2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of light-mediated splicing system using hyper stable G-quadruplex
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19K05686
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小笠原 慎治 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (50462669)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | G-quadruplex / スプライシング / 光操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、光応答性超安定G-quadruplexを使いRNAポリメラーゼが転写する範囲を光照射で切り替え、スプライシングバリアントを選択的に生成させる「光駆動型擬似スプライシング」システムを開発することである。 本年度は、超安定G-quadruplexの光制御に使うフォトクロミック塩基を開発する予定であった。しかし、研究実施機関の移動にともない有機合成をおこなう設備の導入に時間を要したため、先に来年度に実施を予定していたプラスミドへの超安定G-quadruplexの導入スキームの確立をおこなった。 最初に、pCS2にVenus (黄色蛍光タンパク質)およびmScarlet (赤色蛍光タンパク質)をタンデムに組み込んだコンストラクトpCS2-Venus-mscarletを作製した。次に、化学的に合成したG-quadruplexとその相補鎖の両端を制限酵素で処理し、次いで同制限酵素で処理しVenusとmScarletの間を切断したpCS2-Venus-mscarletとライゲーションすることでG-quadruplexをVenusとmScarletを繋ぐリンカー部位へ導入した。しかし、このスキームによって得られたG-quadruplex含有プラスミドは非常に微量であった。本課題では最終的に2つのG-quadruplexをプラスミドに導入するため、もう一度同じスキームを繰り返す必要があり、実験に使うための十分量のG-quadruplex含有プラスミドを得ることは難しいと判断した。そこで、PCRを利用した導入法の検討をおこなった。G-quadruplexを含むプライマーでPCRをおこない、PCR産物をライゲーションすることでpCS2-Venus-G-quadruplex-mscarletを作製した。この方法では十分な量のプラスミドを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究機関の移動があり、新しい研究機関で当該研究が軌道にのるまでに半年を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
有機合成設備が整うまでは引き続き超安定G-quadruplexのプラスミドへの導入スキームの確立をおこなう。本年度にPCRを使う導入法が有効であると判明した。ただ、PCR法では人工合成したG-quadruplexを2箇所に導入することはできないため、制限酵素を使う従来の方法と併用することを考えている。第一段階でPCR法を使い1箇所にG-quadruplexを導入し、第二段階で制限酵素法を用いてもう1箇所にG-quadruplexを導入する。以上の手順で作製したG-quadruplex含有プラスミドを無細胞タンパク質発現系で評価する。G-quadruplexの有無で発現するタンパク質の違いを蛍光で判断する。無細胞タンパク質発現系で動作確認できたら次はHaLa細胞内でも動作するかを確認する。
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Causes of Carryover |
定価と納入価格との差額として604円が生じた。次年度での消耗品費として使用する。
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