2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of powerful ad exhaustive inhibitors for ribosome-inactivating proteins
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19K05699
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
齋藤 良太 東邦大学, 理学部, 教授 (90327974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 勝 東邦大学, 理学部, 准教授 (80379289)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リシン毒素 / 阻害剤 / プテリン / X線結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に良好な結果が得られたpterin-7-carbonyl-GlyPheLys(Cbz)をリードとして、側鎖末端のLys(Cbz)部分を、フタルイミド保護Lysに変換した新規トリペプチド含有プテリン誘導体の合成を検討した。対応するトリペプチドの合成は成功したが、7-メトキシカルボニルプテリンとの縮合反応において、フタルイミド基が開環して2-カルボキシベンズアミド基となることがわかった。そこで、この2-カルボキシベンズアミド体とRTAとの共結晶を作成し、X線結晶構造解析を行ったところ、プテリン環がRTA活性部位の第1ポケットと相互作用し、2-カルボキシベンズアミド基部分が第2ポケットと相互作用していることがわかった。結晶構造を詳細に観察すると、pterin-7-carbonyl-GlyPheLys(Cbz)の場合と同様に、2-カルボキシベンズアミド部分のカルボニル基が、第2ポケット入口付近のアルギニン(Arg48)およびアスパラギン(Asn78)と水素結合していることがわかった。これらの結果からArg48およびAsn78との相互作用は、阻害剤が第2ポケットと相互作用するための足掛かりとして重要であることが示唆された。次いで、この結果をもとにして、2-カルボキシベンズアミド基を末端に有するpterin-7-carbonyl-GlyPheTyr(2-carboxybenzamidopropyl)およびpterin-7-carbonyl-GlyPheTyr(2-carboxybenzamidobutyl)を新規に合成し、それぞれの化合物についてRTAとの共結晶を作成した後X線結晶構造解析を行ったところ、pterin-7-carbonyl-GlyPheTyr(2-carboxybenzamidopropyl)が第1及び第2ポケットと同時に相互作用していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、オンライン講義等従来の業務にはなかった教育エフォートが飛躍的に増大し、研究エフォートが大幅に下がった。さらに、物品の流通もコロナ禍の影響を受け、特に海外からの試薬の調達が予定通りに進まなかった。県を跨いだ移動も制限され、放射光施設の利用が制限されたことも遅延要因の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
今回RTA活性部位の第2ポケットとの相互作用が観測された阻害剤について、RTA阻害活性評価を行う。また、これまでに合成した阻害剤の阻害様式について明らかにする。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナウイルス感染症拡大に伴う研究以外の業務の増加に伴い、研究遂行が遅れたため。 (計画)前年度に実施できなかった実験に必要な消耗品の購入を予定している。また、論文校閲料や投稿料にも使用する予定である。
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Research Products
(2 results)