2019 Fiscal Year Research-status Report
NRPS異性化酵素機能を解明する共有結合型分子ツールの開発
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19K05722
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
石川 文洋 近畿大学, 薬学部, 講師 (50631553)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非リボソームペプチド合成酵素 / 異性化酵素 / 生合成 / 共有結合型阻害剤 / パンテテインアナログ |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物の生産する有用なペプチド系天然物の多くは、非リボソームペプチド合成酵素により生合成される。非リボソームペプチド合成酵素の利用するアミノ酸基質の違いにより、ペプチド系天然物の構造的多様性が生み出される。また、アミノ酸修飾酵素の一つである異性化酵素が、アミノ酸の L/D 変換を触媒することで、ペプチド骨格の多様性を飛躍的に拡げている。異性化酵素は、thiolation (T) domainに担持されたL-アミノ酸をD-アミノ酸へ異性化する。そこで、T domain担持型共有結合性異性化酵素阻害剤を創製することで、アミノ酸異性化機構を明らかにすることを目的とする。本年度は共有結合型異性化酵素阻害剤の設計および合成を実施した。 異性化酵素に作用する化合物は、PLP 依存型アラニンラセマーゼに選択的な不可逆的阻害剤 chlorovinylglycine (CVG) が報告されているのみである 。 異性化酵素の異性化機構は、生化学的解析により、H753 および Y976 の関与する “two-base mechanism” が 、一方、E domainのX線結晶構造解析より、H743 および E882 の関与する “酸塩基触媒機構” が提案されている。 そこで、His、Tyr、Gluの求核攻撃による共有結合形成を期待して、反応性基としてSN2反応の良い脱離基であるメシル基およびトシル基を選択した。さらに、メシル基およびトシル基をパントテン酸へ連結し、T domain へ担持可能な異性化酵素阻害剤の設計および合成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共有結合型異性化酵素阻害剤の設計および合成を完了し、異性化酵素を用いた機能解析を実施している途中であり、おおむね初年度の目標を達成しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
共有結合型異性化酵素阻害剤の精密な機能解析および異性化酵素変異体を用いた異性化機構解明研究へ展開する。
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Causes of Carryover |
次年度の試薬購入に当てるため。
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Research Products
(21 results)