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2021 Fiscal Year Annual Research Report

タイト結合リガンドが誘導する新経路のマクロ飲作用と,それに続く癌重層化の機序解析

Research Project

Project/Area Number 19K05736
Research InstitutionSapporo Medical University

Principal Investigator

幸野 貴之  札幌医科大学, 医学部, 講師 (10374563)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords上皮細胞 / 細胞重層化 / 癌悪性化 / 子宮内膜癌
Outline of Annual Research Achievements

本研究は3カ年の研究実施計画に基づいて行われており,令和3年度は研究期間の最終年度に該当した。令和2年度研究では,LSRリガンド刺激前後の細胞形態への影響を詳細に解析し,LSR発現量が低下した細胞が持つ形態と,LSR遺伝子をノックダウンさせた細胞が持つ表現型とが相関する知見を得た。さらに,接触阻害期にあり安定な上皮構造を構築した細胞に対して,LSRリガンド投与によるLSR発現量の低下誘導が,急激に細胞運動能を亢進させることを見出した。そこで本年度は,この細胞運動能の変化の過程を詳細に解析した。まず,LSRリガンドを添加した後の細胞形態の変化を観察した。位相差顕微鏡による生細胞観察,および共焦点顕微鏡による固定細胞観察の結果,細胞運動の亢進に先立って,LSRリガンドに依存的に細胞間隙が部分開裂することを見出した。さらに,透過電顕により隣接細胞間領域を詳細に観察すると,細胞接着装置の形態は維持されつつも,細胞間隙が開裂し,さらに小胞が形成されることを見出した。小胞形成過程を生細胞観察した結果,この小胞は細胞外液を内包することを見出した。また,アミロライド誘導の存在化ではこの小胞が顕著に減少し,さらに ナトリウム水素交換輸送体タンパク質のノックダウン細胞でも同様にこの小胞は減少した。これらより,LSRリガンドに依存的な,細胞運動能の亢進に先行する小胞形成過程が,マクロピノサイトーシスであることを明らかにした。また,マクロピノサイトーシスを抑制した細胞では,LSRリガンドに依存的な細胞運動能の亢進が惹起されないことを見出した。一方,LSRリガンド投与によりLSRタンパク質の発現が減少する過程には,Rab5が関与する細胞内移行が関与すること,およびマクロピノサイトーシスの形成にはRacやJNKが関与することをそれぞれ明らかにした。これらの結果を論文にまとめ,公開した。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Translocation of LSR from tricellular corners causes macropinocytosis at cell?cell interface as a trigger for breaking out of contact inhibition2021

    • Author(s)
      Kohno Takayuki、Konno Takumi、Kikuchi Shin、Kondoh Masuo、Kojima Takashi
    • Journal Title

      The FASEB Journal

      Volume: 35 Pages: -

    • DOI

      10.1096/fj.202100299R

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 癌悪性化に付随する新しい細胞形態変化2021

    • Author(s)
      幸野貴之
    • Organizer
      第101回 北海道医学大会 第123回癌談話会例会 特別講演
    • Invited
  • [Presentation] 細胞間隙からのマクロピノサイトーシスに起因する急激な細胞運動の誘導2021

    • Author(s)
      幸野貴之,金野匠,菊池真,近藤昌夫,小島隆
    • Organizer
      第44回 日本分子生物学会年会
  • [Remarks] 札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所 細胞科学部門

    • URL

      https://web.sapmed.ac.jp/cellscience/index.html

URL: 

Published: 2022-12-28  

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