2021 Fiscal Year Research-status Report
線維形成能および細胞毒性を有する短鎖ペプチド配列の予測・探索法の確立
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19K05741
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
臼井 健二 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 准教授 (70543792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅谷 智弘 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (10397630)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペプチド / βシート構造 / アミロイド / 線維 / 画像解析 / 統計解析 / 細胞毒性 / 分子記述子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペプチド、特に線維形成ペプチドを用いた材料創製は各方面で重要になっている。しかし、未だにどのような配列が線維を形成し、細胞毒性などを発現するのか、根本的な「問い」に対する答えは見出されていない。そこで本研究では、申請者がこれまで開発してきたペプチドアレイの構築手法や統計解析手法、および研究分担者の画像解析手法やパターン認識手法を駆使して、二次構造を形成する最小単位に近いオリゴペプチドのミニライブラリをモデルとして、線維形成・毒性発現配列を予測でき、配列設計が策定できる手法の確立を目指した。今年度はまず、前年度作製・解析した20種類のミニライブラリにおける分子の複雑さや分子対称性を表すパラメータと、アミロイド性、βシート性の関係性を基に、新たに人工アミノ酸などを付加した配列を用意して、実際にアミロイド性やβシート性がその配列の複雑さや分子対称性から予測が可能であるか、検証を行った。その結果、N末端に様々な官能基を付加した際のアミロイド性やβシート性予測が高い精度で可能であることを見いだした。さらに、このアミロイド性、βシート性から、別のバイオ関連機能が予測できるかを検討するために細胞毒性試験を行った。その結果、細胞毒性の強いグループ、弱いグループとアミロイド性やβシート性に何らかの関係があることを見いだせた。これら知見を基に、現在は、N末端だけではなく、配列全体を変化させたペプチドのアミロイド性、βシート性の予測が可能か、また応用展開に向けて、細胞毒性予測法を駆使し、細胞接着材料の開発を始めている。 さらに研究分担者を中心として、前年度に開発した画像分類手法について更なる検討を行った。本課題の実験で得られた走査型顕微鏡画像の周波数解析、得られた周波数成分からの実験結果の解釈や実際の反応生成物の画像を用いたノイズ除去手法の検討を行い、機械学習を利用した分類に関する知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1,2年目のコロナ禍による研究の遅れが3年目にも影響している。ある程度の挽回はでき、限定的な予測システムのプロトタイプは構築でき、検証も行った。さらに細胞毒性予測までたどり着いたが、ナノ構造体の形状予測、およびその予測システムの応用展開、解析元親配列と全く違う配列の予測などには至っていない。また、画像解析については、実際の反応生成物の画像を用いた解析を詳細に検討した結果、方針を変更し、主成分分析によるパラメータの解釈や予測、推定の分類に注力することとなった。 そこで、本課題は1年間延長することを決め、当初の計画を達成できるよう、現在鋭意研究遂行中である。一方で、関連研究のβストランドナノポア研究についてはNat.Nanotech.誌に掲載されるなど大きな成果の進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに、プロトタイプの予測システムの検証、細胞毒性予測は可能となっており、近日中に応用展開研究に移行できそうである。ここまでの成果をまとめ、論文作成を行っていきたい。線維形状観察法と得られた画像の解析法の最適化を行い、その結果データを数値化し、統計解析を行っていくことや、応用展開に向けた細胞接着性の予測などが可能なシステムの構築を計画している。また材料応用に向けた各種物性の予測も行えないか検討している。予測システムが構築でき次第、さらなる検証作業に移る。検証結果が良好でない場合は予測システムの再々構築や改良を行っていく。情報解析については、反応予測や細胞毒性の分類、解釈の方法を開発する。 また関連研究であるアミロイドの材料応用に関する研究については論文投稿を行い今年度内の発行をめざす。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による学会発表出張中止などの計画変更のため、また本課題を1年間延長したため、次年度使用額が生じている。次年度においては、研究進展に伴う追加の物品費や成果発表のための論文投稿料に充てる計画を立てている。
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Research Products
(7 results)