2021 Fiscal Year Annual Research Report
多対多インタラクトーム技術による宿主微生物相互作用の分子生物学的基盤の探求
Project/Area Number |
19K05745
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
矢崎 潤史 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (70391597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 祐介 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, ユニット長 (30588124)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インタラクトーム / プロテオーム / 複合体相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規ラベルフリー多対多インタラクトーム技術、HaloTagNAPPA-MSを構築し、これまで不可能な細胞内分子複合体相互作用の一斉解析を行った。鋳型DNAから蛋白質発現・捕捉した固相上の蛋白質に対し、ラベルフリーなヒト培養細胞ライセートを相互作用させ、質量分析による複合体の検出を行ったところ、陽性区画と共に数百種類の新規相互作用が検出された。評価実験では36%の再現性が確認された。陽性区画との比較フィッシャー正確性検定ではP値が、0.0319となり、P(0.05)で相似した結果となり、本技術のProof of conceptとなった。
研究成果の学術的意義や社会的意義 HaloTagNAPPA-MSの利用で、まだ20程度のクエリであるにも拘らず、巨大な細胞内分子複合体コミュニケーション地図が構築された。この地図はこれまでにない学術的に卓越した成果である。この技術は今後ヒト共生微生物・感染菌の分泌分子群のネットワーク地図構築にも利用され新規疾患標的因子や新規薬用成分の一斉同定を可能にすることから、社会的意義が高い。それら結果を利用した新微生物薬品・健康食品・治療法開発などの社会的インパクトが期待される。これまで得られた結果は、既存技術に対する優位性、対費用効果の高さ、などから学術的・社会的インパクトが大きい。
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