2021 Fiscal Year Annual Research Report
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19K05755
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
落合 久美子 京都大学, 農学研究科, 助教 (40533302)
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2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | ビウレット / イネ / 窒素肥料 / 尿素 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ビウレットは尿素2分子が縮合して生じる含窒素化合物である。過剰のビウレットは植物の生育に害を与えるが、傷害発生のメカニズムは明らかにされていない。本研究では、イネのビウレット傷害発生機構について検討した。
本年度はイネ培養細胞を用いて行ったたメタボローム解析データを解析した。この結果、ビウレットを与えた細胞では分子内に窒素原子を3つ含むアミノ酸であるシトルリンの含有率が有意に増加することが示された。前年度までに明らかにしたイネ幼苗地上部でのアラントイン含有率の増加と合わせ、ビウレット過剰害により窒素含有率の高い化合物の蓄積が誘導されることが示唆された。メタボローム解析結果からはまた、ビウレットを与えた細胞でS-アデノシルホモシステイン含有率が顕著に増加することも示された。
ビウレットを与えて栽培したイネ幼苗のビウレット蓄積量についても検討した。前年度までに15N標識ビウレットを与えたイネの窒素安定同位体比分析により、根に与えたビウレットがイネに吸収されて地上部に移行することを示している。本年度はビウレットを直接定量した。0.3mMのビウレットを水耕栽培培養液に与えて9日間栽培した場合、イネ野生型株の地上部には組織中の水あたりとして約2mMのビウレットが含まれた。一方、土壌微生物由来のビウレット加水分解酵素遺伝子を高発現させた形質転換イネではビウレットは検出されず、害徴も認められなかった。この結果は、イネ植物体内に比較的高い濃度でビウレットが蓄積することが、傷害発生の原因となることを示している。
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