2019 Fiscal Year Research-status Report
新規C-C結合切断・形成酵素の機能解析と天然・非天然型C-配糖体の新規合成法開発
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19K05784
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
熊野 匠人 筑波大学, 生命環境系, 助教 (70585025)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | C-配糖体代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究室ではスクリーニングにより取得したC-配糖体(カルミン酸)資化細菌からC-配糖体を切断するユニークな酵素を同定している。C-配糖体切断酵素はこれまでに腸内細菌から報告されているのみであり、詳細な生化学的解析は報告されておらず、結晶構造についても未知である。 本研究では、新規なC-配糖体切断酵素について、結晶構造を明らかにし、詳細な反応機構を解明して新規化合物の合成に応用することを目標としている。 まず、結晶構造解析について、我々がスクリーニングより見出したC-配糖体切断酵素およびデータベースより選択したホモログ酵素について行うこととした。データベース検索により、様々な土壌細菌、腸内細菌が本酵素のホモログを有していることが判明した。その中から保存機関より取り寄せ可能な微生物でかつ、ホモログを有しているものを選択し、ホモログ酵素遺伝子をクローニング、大腸菌により異種発現を行った。そして、精製した組換え酵素を用い、様々な配糖体を基質として活性の検出を試みた。それにより、本酵素ホモログがC-配糖体切断活性を有していることを明らかにした。 次に、結晶化については市販の結晶化試薬を用い、種々の結晶化条件を検討することによって、ホモログ酵素の1つでタンパク質結晶が得られるようになった。この結晶を高エネルギー加速器研究センターにてX線結晶構造解析したところ、2オングストロームの反射像が得られ、現在構造精密化を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホモログ酵素のクローニング、機能解析は順調に進み、活性を持ったホモログ酵素をデータベースより見いだすことができた。また、糖切断酵素は結晶が得られ、現在、X線結晶構造の精密化を進めている段階で、糖切断酵素の反応機構解析は順調に進行している。この結果をもとに、詳細な反応機構についても解明できると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、結晶構造の精密化を進めるとともに、計画している研究をすすめるため、pHや緩衝液、温度、基質濃度等を変更して効率良く反応が進行する条件を探索していく予定である。また、結晶構造が明らかになったのち、活性中心のアミノ酸を中心として、変異を導入し、反応効率向上や基質特異性改変についても検討していきたい。
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Research Products
(3 results)