2020 Fiscal Year Research-status Report
海洋性乳酸菌による薬草粉末及び海藻粉末の発酵と有効物質の構造解析
Project/Area Number |
19K05786
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
今田 千秋 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (90183011)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 康弘 富山県立大学, 工学部, 教授 (20285159)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 海洋植物由来乳酸菌 / αグルコシダーゼ阻害活性 / 無調整豆乳 / 乳酸発酵 / 薬草 / 海藻 / 海草 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は元年度に引き続き、α-グルコシダーゼ阻害活性(GI)が認められる海洋由来乳酸菌Lactobacillus plantarum H-6株と阻害活性が認められないL.derbtueckii KM-2株について、無調整豆乳を発酵(37℃、3日間)し、得られた発酵豆乳上清についてGI活性の再現性を調べた。また、比較のために当研究室で保存している他の海洋由来乳酸菌37株及び陸上由来乳酸菌13株の合計50株についても同様に発酵物を調製し、GI活性を測定した。その結果、いくつかの株にGI活性が見られたが、H-6株を上回る活性保有株は確認されなかった。そこでH-6 株とKM-2株に焦点を当てて、市販の各種植物粉末(キダチアロエ、ヒプノカリス、ギムネマシルベスター、長命草、ノニ葉、カンバラ、柿の子、モリンガ、グアバ、Black Cohosh、Red Clover、Vitex、Shatavari、ニガウリ)を1%添加した無調整豆乳(20ml)を発酵(37℃、3日間)し、発酵物のGI活性を測定した。その結果、H-6株は薬草無添加でもGI活性が見られ、ノニ葉、カンバラ、柿の子、モリンガ、グアバの各粉末添加によりGI活性増強効果が見られた。一方、KM-2株は植物粉末無添加では全くGI活性が見られなかったのに対し、VitexやShatavariやニガウリなどを添加すると、新たにGI活性が出現した。現在このKM-2株について、これらの植物粉末添加発酵豆乳のGI活性再現性を調べているところである。また、H-6 株とKM-2株を含むすべての株の豆乳発酵物について、女性ホルモンであるエクオール生産性を高速液体クロマトグラフィーを用いて調べたが、生産性は確認されなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で、感染対策の為、大学構内への立ち入り回数を減らさざるを得ず、実験に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度はL.derbtueckii KM-2株について、豆乳に添加するVitexやShatavariやニガウリなどの添加濃度、海水濃度、発酵温度や発酵日数などを種々変更し、GI活性の最適化を図る。また、得られた発酵物からGI活性成分を単離精製し、諸性状を明らかにする予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の為、東京都は特に厳しい大学構内への入構制限や、移動制限が生じ、出張や実験が一部延期になり、次年度へ持ち越された。
|