2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規好気性アンモニア酸化反応の分子メカニズム解明に向けた触媒分子の分離と機能解明
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19K05805
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
押木 守 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90540865)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アンモニア酸化古細菌 / AOA / Nitrososphaera / 硝化 / 触媒分子 / タンパク質工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はアンモニア酸化古細菌Nitrososphaera viennensisが保有する電子キャリアタンパク質の発現・精製・酵素学的特性の解明に取り組んだ。標的としたタンパク質は前年度までに天然タンパク質から液体クロマトグラフィーで分離したフェレドキシンタンパク質(AOA_Ele)であり、本遺伝子を各種発現ベクターへクローニングし、大腸菌をホストとしたAOA_Eleの異種発現を試みた。 各種発現ベクター(pET29, pColdI, pCold-TF)、大腸菌株(B21、Origami株)、共発現プラスミド(シャペロンプラスミド、pRKISU)、発現条件(鉄硫黄含有培地)を検討したものの、AOA_Eleを可溶性タンパク質として発現させることはかなわなかった。これは、AOA_Eleが分子内に非常に豊富なシステイン残基を有しており、大腸菌ではジスルフィド結合を含むフォールディングが困難であったことが原因として考えられた。本課題を解決するためOrigami株を用いた発現も検討したが、改善は認められなかった。また、AOA_Eleは鉄-硫黄クラスター(Fe-S)を含むタンパク質であり、大腸菌のFe-Sクラスター挿入に関わる遺伝子群を共発現させることでAOA_EleへのFe-Sの挿入を試みたが、発現したAOA_EleにはFe-Sの挿入は認められなかった。Nitrososphaera viennensis AOA_Eleを機能性タンパク質として発現させるためには古細菌由来のシャペロンタンパク質、Fe-S挿入マシナリーを共発現させることが必要であると考えられた。また、ホストとして大腸菌を用いることの限界が明らかであり、古細菌を発現ホストとした発現系の開発が必要であると考えられた。
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[Presentation] Colorimetric MALDI-TOF/MS; a simple and high-throughput method for determining 15N atom % of NH3, NO2-, NO3-, NH2OH and N2H42021
Author(s)
Mamoru Oshiki, Komei Nagai, Satoshi Ishii, Yoshiyuki Suzuki, Nobuo Saito, Takashi Yamaguchi, Nobuo Araki, Satoshi Okabe
Organizer
7th International Conference on Nitrification and Related Processes
Int'l Joint Research
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[Presentation] なぜ低温硝化リアクター内で亜硝酸酸化細菌Nitrospira は優占できたのか~ Nitrospira とNitrosomonas の炭素固定経路の違い~2021
Author(s)
根津 拓福, 黒田 恭平, 成廣 隆, 金田一 智規, 藤井 直樹, 荒木 信夫, 山口 隆司, 幡本 将史, 鈴木 義之, 岡部 聡, 押木 守
Organizer
第34回日本微生物生態学会年次大会
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