2023 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of ectopically expressed olfactory receptor
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19K05810
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊原 さよ子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (80292788)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 嗅覚受容体 / 異所発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトGタンパク質共役型受容体の約半数を占める嗅覚受容体は、嗅上皮に発現し、匂い受容に不可欠な役割を果たすのみならず、心臓、肺、腎臓、筋肉、といった様々な非嗅覚組織にも発現することが知られている。近年、これら異所発現嗅覚受容体の一部が、発現組織特有の生理機能を担うことが明らかになってきた。しかし、それら異所発現嗅覚受容体が実際に生体内のどのようなシグナルをモニターし、機能を果たすのかについては未解明な点が多い。本研究は、異所発現嗅覚受容体のなかでも、多くの哺乳類で高度に保存され、様々な非嗅覚組織で発現する嗅覚受容体に着目し、その生理的リガンド探索を通じ、受容体が生体のどのようなシグナルを検知して機能しているのかについて明らかにすることを目的としている。 本年度は、昨年度に引き続き、組織由来の夾雑物によるバックグランド応答を低減し、複数の共役Gタンパク質によるシグナルを検出できるアッセイ系の最適化を図った。従来の培養細胞を用いたアッセイ系に加え、アフリカツメガエル卵母細胞受容体発現系を用いたアッセイを導入することにより、ノイズの低減をはかることができた。そこで、このアッセイ系を用いて着目異所発現嗅覚受容体のリガンド活性を有する組織のスクリーニングを行った。マウスの様々な組織由来抽出物による応答解析を行ったところ、特定の組織由来抽出物に対して、嗅覚組織発現嗅覚受容体とは異なる共役Gタンパク質を介した応答活性が検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生理的リガンド同定を進める過程で問題となっていたバックグランド応答の低減にむけたアッセイ系の改善に時間を要したため、当初の計画から進捗が遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度活性を見出した特定組織からのリガンド精製をすすめ、生理的リガンドに関する知見を得る。
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Causes of Carryover |
アッセイ系の改善に時間を要し、精製のスケジュールが後ろ倒しになったため、その分の経費に余剰が生じた。次年度に同目的で使用予定である。
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