2020 Fiscal Year Research-status Report
新規アラビノビオース遊離酵素により解き明かすビフィズス菌のAGP分解メカニズム
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19K05816
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤田 清貴 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (20381189)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | AGP / ビフィズス菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、既にビフィズス菌が有するアラビノガラクタン・プロテイン(AGP)分解酵素群のうち、Bifidobacterium longumに保存されたアラビアガム由来のAGPの側鎖末端に存在するD-galactopyranosyl-α-L-arabinofuranose (GA)を切断する3-O-α-D-galactopyranosyl-α-L-arabinofuranosidase (GAfase)とB. pseudocatenulatumに保存されたカラマツ由来のAGPの側鎖末端に存在するL-arabinopyranosyl-β1,3-L-arabinofranose (ApA)の遊離を触媒する3-O-β-L-arabinopyranosyl-α-L-arabinofuranosidase (ApAfase)のクローニングとその組換え酵素の諸性質を解析済みである。GAfaseとApAfaseのアミノ酸配列の比較を、GAfaseと同じGH39に属し立体構造が明らかになっているルーメン嫌気性真菌Neocallimastix frontalis由来の酵素の配列と共に行ったところ、GA二糖の非還元末端側を認識すると予想された GAfaseのサブサイト-2に位置する119位のAsnがApAfaseではTyrに置きかわっていた。そこで、GAfaseに部位特異的変異を導入してTyrに置き換えたところ、GAfaseがGAよりもApAを優先的に遊離するようになった。これは、GAfase型の基質特異性を一アミノ酸置換でApAfase型に変換できたことを意味した。なお、ApAの分解代謝に作用すると予想される糖質分解酵素β-L-arabinopyranosidase候補遺伝子のクローニングを行う予定であったが、コロナ禍の影響により研究室所属学生の自宅待機が続いた影響で実施することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年度に行う予定であったβ-L-arabinopyranosidase候補遺伝子のクローニングを行う予定であったが、コロナ禍の影響により研究室所属学生の自宅待機が続いた影響で実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度実施することができなかったβ-L-arabinopyranosidase候補遺伝子のクローニングとその組換え酵素の諸性質の解析を進める予定である。また、AGPの側鎖末端に存在するL-arabinofuranosyl-β1,3-L-arabinofranose (AfA)の遊離を触媒する3-O-β-L-arabinofuranosyl-α-L-arabinofuranosidase (AfAfase)のクローニングとその組換え酵素の諸性質の解析を行うことで、ビフィズス菌が有する様々なAGP修飾糖分解酵素群の機能を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
研究室所属学生の自宅待機のため消耗品の使用量が若干減った関係で若干の残金が生じた。翌年分と合わせて消耗品の購入のための必要経費として使用予定である。
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Research Products
(3 results)