2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanisms of insecticidal actions of two-domain scorpion peptides
Project/Area Number |
19K05842
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮下 正弘 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80324664)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ペプチド / サソリ毒 / ジスルフィド結合 / 化学ライゲーション |
Outline of Annual Research Achievements |
サソリ毒液の活性成分として、ジスルフィド結合で架橋されたペプチドと、ジスルフィド結合をもたずにαヘリックス構造を形成するペプチドが存在する。これらに加えて、その両者の構造的特徴をもつ「2ドメイン型」ペプチドも存在する。これまでにヤエヤマサソリ毒液よりLaIT2ならびにLaIT3がこの構造的特徴をもつ殺虫性ペプチドとして同定されている。これらに加え、毒腺トランスクリプトーム解析の結果から、新たな2ドメイン型ペプチドの存在が予想されたが、その活性については不明であった。そこで本研究では、このペプチド(LaIT4と命名)の役割についての知見を得ることを目的として、その毒液中における存在を確認するとともに、化学合成をおこなった。まず、配列から推定された分子質量をもとに毒液成分のLC/MSデータからLaIT4の存在を確認した。さらに、酵素消化後の断片ペプチドのLC/MS分析によって、その配列が正しいことを確認した。続いて、LaIT4の化学合成をおこなった。LaIT4は76アミノ酸残基で構成されるペプチドであるため、通常の逐次延長による固相法を用いて合成することは難しい。そこで、LaIT2の場合と同様に2つのフラグメントに分けて合成し、それらを化学ライゲーション法(NCL)を用いて縮合させることとした。NCL反応においては、縮合位置がCys残基に限定されるため、中央付近(39残基目)のCys残基を縮合部位として各フラグメントを合成した。N末端側フラグメントLaIT4(1-38)-hydrazideならびに末端側フラグメントLaIT4(39-76)はマイクロウェーブを用いた反応装置によって合成した。これらをNCL反応によって縮合し、直鎖状LaIT4を得た。最終的に、このペプチドをジスルフィド結合形成反応に供し、LaIT4を得ることに成功した。
|
Research Products
(3 results)