2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of type I allergy regulation mechanism by Shekwasher leaf and peel and examination of the effective utilization method
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19K05880
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡本 威明 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (20398431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 卓也 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (00263963)
田中 守 中部大学, 応用生物学部, 講師 (00612350)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シークヮーサー / ノビレチン / ラクトフェリン / 相加・相乗効果 / 葉 / 果皮 / マーマレード / 抗アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、Ⅰ型アレルギー疾患の有病率が増加しており、深刻な社会問題となっている。これまでに我々はシークヮーサー果皮・葉抽出物に抗アレルギー効果があることを報告しており、さらにシークヮーサー果皮・葉に多く含まれるノビレチンと乳タンパク質の1つであるβ-ラクトグロブリンの同時作用による相加・相乗的なアレルギー症状の緩和が明らかとなっている。本研究は、β-ラクトグロブリンと同じ乳タンパク質であり、より低濃度で抗アレルギー効果が期待できるラクトフェリンに着目し、ノビレチンとの組み合わせによる抗アレルギー効果とその抑制メカニズムの解明を検討した。 その結果、ノビレチンおよびラクトフェリンは、DMSOに溶解し、終濃度0.5%となるように調製した。RBL-2H3細胞を用いて細胞毒性を評価した後、各種成分刺激による抗アレルギー効果の評価として脱顆粒抑制試験、脱顆粒抑制メカニズムの評価として細胞内Ca2+濃度の測定を行った。 ノビレチンおよびラクトフェリン添加による細胞生存率は、ノビレチンでは0.5-100µMの範囲で低下が認められず、ラクトフェリンでは0.001-0.5mg/mLの範囲で低下が認められなかった。脱顆粒抑制試験では、ノビレチンとラクトフェリンの共刺激によるβ-hexosaminidase放出率は、ノビレチン単独およびラクトフェリン単独刺激より強い抑制効果を示した。細胞内Ca2+濃度測定でも同様に、ノビレチンとラクトフェリンの共刺激によるCa2+濃度の低下は、ノビレチン単独およびラクトフェリン単独刺激より強い抑制効果を示した。 また、シークヮーサー葉の有効活用方法として、葉を微粒子化することで、クッキーや餃子の皮、チキン南蛮のタレ等に含有させることが見出され、カフェ等で販売された。今後は、葉より匂い成分の抽出と、果肉・果皮を活用したマーマレードの作成を試みていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年4月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、大学の実験室への立ち入りが規制されたため、実験が予定通り進められていないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も新型コロナウイルス変異株の影響が懸念されるが、共同研究体制を生かして可能な限り、研究を遂行していく。やむを得ない場合は、研究期間の延長を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により大学での実験の遂行ならびに学会発表等の活動が制限されたため次年度使用額が発生した。今後の使用計画としては、研究分担者との連携をより強化することで、細胞培養実験、動物実験、機能性成分の測定等を行い、その諸経費として助成金を使用していく。
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Research Products
(2 results)