2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis and application of carbohydrate binding specificity of oxidized LDL receptor
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19K05886
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
氏田 稔 名城大学, 農学部, 教授 (50340295)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヒト酸化LDL受容体 / 糖結合特異性 / グルカン / 組換えタンパク質 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
低密度リポタンパク質(LDL)は活性酸素などにより酸化されて酸化LDLとなる。ヒト動脈の内皮細胞表面には酸化LDL受容体が存在し、血液中の酸化LDLと特異的に結合して内部に取り込む。その結果、動脈内壁に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が形成される。この過程はアテローム性動脈硬化症の発症において最も重要なステップであるが、ヒト酸化LDL受容体の結合特異性、特に酸化LDLと結合する細胞外レクチン様ドメインの糖結合特異性は解析されていない。そこで本研究では、組換えヒト酸化LDL受容体を用いて糖鎖リガンドを同定することを目的として研究を行った。 N末端側にヒスチジンタグを付加したヒト酸化LDL受容体の細胞外領域、N末端側にヒスチジンタグを付加したヒト酸化LDL受容体の細胞外レクチン様ドメイン、およびN末端側にFLAGタグ、ヒスチジンタグ、AcGFP1を付加したヒト酸化LDL受容体の細胞外領域の3つのコンストラクトについてカイコ-バキュロウイルス発現系で可溶性組換えタンパク質として大量調製し、アフィニティー精製を行った。N末端側にヒスチジンタグを付加したヒト酸化LDL受容体の細胞外領域およびN末端側にFLAGタグ、ヒスチジンタグ、AcGFP1を付加したヒト酸化LDL受容体の細胞外領域においては二量体として発現していることも確認した。 組換えヒト酸化LDL受容体の糖結合特異性を競合的固相結合アッセイにより解析し、ヒト酸化LDL受容体の細胞外レクチン様ドメインの詳細な糖結合特異性を解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、組換えヒト酸化LDL受容体を大量生産し、その糖結合特異性を詳細に解析するとともに糖鎖リガンドを同定することを目的としている。 組換えヒト酸化LDL受容体の大量生産と精製は順調に進んでおり、競合的固相結合アッセイ系も確立することができた。また、組換えヒト酸化LDL受容体とヒト酸化LDLとの相互作用も確認することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
動脈硬化症に対する予防効果が報告されている食品中の各種β-グルカンをβ-グルカナーゼにより部分加水分解して可溶化したβ-グルカンオリゴ糖を組換えヒト酸化LDL受容体と反応させ、カイネティクスを解析する。本アッセイで明らかとなるβ-グルカンオリゴ糖-組換えヒト酸化LDL受容体間の相互作用のカイネティクスと、動脈硬化予防β-グルカンの効能との相関関係を確認・検証する。
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Causes of Carryover |
当初の予定額よりも実際の購入金額が少し安くなったため。
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