2019 Fiscal Year Research-status Report
食品中におけるピロリジジンアルカロイド類の新規分析法の開発と食品汚染実態の解明
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19K05891
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
仲谷 正 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主幹研究員 (90300996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 一夫 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主幹研究員 (30332448)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ピロリジジンアルカロイド / LC-MS/MS / 茶 / 蜂蜜 / 栄養補助食品 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの健康に悪影響を及ぼす恐れがある植物産生のピロリジジンアルカロイドとそのオキシド体 (PAs) による食品汚染が世界的に問題視されている。これらのPAsは100種以上同定されているが、標準品の供給体制が不十分なことが一因となり、その実態は十分明らかにされていない。本研究では、標準品の入手が困難なPAsに対しても対応できるPAsの新規分析法を開発後、国内に流通する植物由来の食品を対象にPAsの汚染実態を解明し、PAs含有植物との比較調査を通じ、汚染経路の推定を試みる。 2019年度は主に1) 蜂蜜および茶を対象としたPAsの分析法の検討、2) PAsの含有が疑われる植物を採取とそのPAs含有量について調査等を行った。 1) の検討では、PAsの精製法について特に注力した。世界的には、0.05M硫酸を用いて抽出した試料抽出液を、陽イオン交換固層抽出カラムに負荷し、PAsを吸着後、再抽出により精製する方法が主流である。しかしながら、この方法で得られる試料溶液の精製効果は不十分であり、定量値を阻害するだけでなく、機器への汚れが大きく懸念される。今回の検討では28種のPAs標準品を対象に新たな精製法を検討した結果、蜂蜜試料では、陽イオン交換固層抽出カラムによる精製前に、QuEChERs抽出法を加えることにより、一定の精製効果が得られることが認められた。また茶の場合では、陽イオン交換固層抽出カラムによる精製後、陰イオン交換固層抽出カラムによる精製が有効であることが確認できた。 2) の検討では、26種の試料を採取(現在も進行中)し、PAs含有量をLC-MS/MSをも用いて測定した。その結果、分子量、推定組成式、およびマススペクトルパターンから総合的に判断すると、標準品と一致するPAsの他、未知のPAsの存在が、明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度の大きな目標のひとつとして、植物を原料とした食品の中でも、PAsの汚染頻度が高いことが予想される蜂蜜および茶を対象としたPAsの分析法を確立する予定であったが、一定の到達点が得られたものの、分析法の回収率や精度に関する系統だったデータが得られていない。2020年度には確立しつつある分析法の調整を行った後、分析法の妥当性について確認を行う予定である。 これまで採取、および分析した植物に関するデータについては、標準品が入手できたPAsに対しは、同定、定量を行い、植物種によるPAsパターンに一定の特色があると推察している。これについては、今年度も継続的な調査を行うことによりデータ数を増やし確信を深めていきたい。一方、複数にわたる未知のPAsについては、同定に至っておらず、さらに解析を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、分析法確立の際、重要ポイントとなる精製用固相カラムの選別に、多くの時間を要し、予定していた実験計画を、十分達成できなかった。2020年度は、2019年度に達成できなかった目標を早期達成し、申請書に記載した通り、以下の研究を進めていく。 1) 蜂蜜、茶および植物由来の栄養補助食品中のPAs新規分析法をLC-MS/MSを用いて確立する 2) 未知PAsを含めた植物中のPAs含有量、分布パターンの調査 3) PAsに特徴的なマススペクトル上のフラグメントイオンを活用した半定量法の確立 4) 食品摂取に由来するPAs暴露量の評価と汚染経路の推定
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Causes of Carryover |
当年度は、分析法の開発に注力したため、試料溶液の調製に用いる各種カラムやLC-MS/MSの分析の際に使用する分離カラムを購入し、当初予定していた請求額をほぼ執行した。本研究は、調査を主体とした性質を持つ。よって次年度も、断続的に、各種試薬や分析機器消耗品購入費が生じるため、当初請求した助成金を予定通り執行する。
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Research Products
(1 results)