2019 Fiscal Year Research-status Report
脂質摂取がマウスの睡眠に及ぼす影響と認知症モデルマウスの病態改善への応用
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19K05900
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
細野 崇 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (80445741)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高脂肪食 / 摂食行動 / アルツハイマー病 / ダラダラ食い |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人の5人に1人が不眠で悩んでおり、睡眠障害による経済損失は最大15兆円にのぼると試算されている。申請者のこれまでの研究で、夜行性であるマウスにラードを含有する高脂肪食を与えた場合、 1日中「ダラダラ食い」することを見出した。このマウスは非活動期にも断続的に餌を食べ続けることから、睡眠の質が低下していることが予想される。その一方、魚油を含有する高脂肪食を与えた場合には非活動期に餌を食べる行動が見られなかったため、摂取する脂質の種類が睡眠の質に影響を及ぼすと考えられた。そこで本研究では、各種高脂肪食の給餌が睡眠の質に及ぼす影響や睡眠障害がアルツハイマー病モデルマウスの病態に及ぼす影響を明らかにすることを目的に実験を行った。 本年度は脂質の摂取とダラダラ食いの関係について検討するため、ラードの含有量を変えた飼料を給餌したマウスの摂食行動について解析した。その結果、ある濃度を超えるラードを含有する飼料を給餌した場合に、非活動期である明期にも断続的に餌を食べ続ける「ダラダラ食い」になることを見出した。また、「ダラダラ食い」が認められる量のラードを含んだ飼料を給餌したマウスでは、顕著に体重増加が認められたことから、体重増加と摂餌行動の間に相関があることが明らかとなった。 現在、ラード以外の脂質を含有する飼料を給餌したマウスの摂食行動について解析することで、どのような脂質を摂取した場合に摂餌行動が「ダラダラ食い」となるかについて検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非活動期である明期にも断続的に餌を食べ続ける「ダラダラ食い」が飼料中の脂質含有量に依存すること、さらに「ダラダラ食い」が見られるようになると顕著な体重増加が認められることが明らかとなり、ラード含有高脂肪食がなぜ「ダラダラ食い」をするようになるのかについての足がかりを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
摂食行動の変化は、飼料をラード含有飼料に切り替えると直ちに変化することから、脂質摂取により摂食ホルモンの分泌が変化することが予想され、その点について検討を行う。また、「ダラダラ食い」にならない飼料と「ダラダラ食い」になる飼料の違いが見いだされ次第、アルツハイマー病モデルマウスにそれら飼料を給餌し、「ダラダラ食い」とアルツハイマー病病態の関連性について検討を行う。
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Causes of Carryover |
実験飼料の購入費用が想定よりも少なかった。次年度は上記実験を実施するため、飼料の購入費用に充当する。
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[Presentation] The mechanism of FGF21-induced suppression of liver lipid accumulation during protein malnutrition2019
Author(s)
Hiroki Kosaka, Yori Ozaki-Masuzawa, Rino Abiru, Keigo Kawate, Yuki Kohno, Atsushi Miura, Morichika Konishi, Nobuyuki Itoh, Asako Takenaka, Takashi Hosono, Taiichiro Seki
Organizer
The 7th International Conference on Food Factors (Kobe)
Int'l Joint Research
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