2019 Fiscal Year Research-status Report
Studies on pharmaceutical activities on cis carotenoids contained in foods.
Project/Area Number |
19K05934
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
新藤 一敏 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80350180)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | cisカロテノイド / 抗酸化活性 / 血糖値低下活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は初年度であるため、実験材料である各cis lycopene (5 cis, 9 cis, 13 cis)の大量調製(各50 mgを目標)にまずは注力した。市販の業務用トマトペーストからall trans lycopeneを溶媒沈殿により5 g単離精製し、これをCH2Cl2中で加熱することにより各cis体を作成した。作成した各cis体は順相系HPLC分取(n-hexane+アミンを溶媒として用いるもの)により単離し、各cis体を20 -30 mg純品として調製済みである。調製した純品の各cis体を用いたin vitro生物活性評価についても着手済みであり、まずは一重項酸素消去活性(メチレンブルーに光を当てて一重項酸素を発生させ、それによるリノール酸の酸化が抑制されるかを検討する系)についての各cis体評価を、all trans lycopeneと比較する形で評価完了している。本実験の結果、5 cis体がall trans lycopeneよりも優れた一重項酸素消去活性を示すことが認められており、現在再現性を確認中である。また各cis lycopeneとall trans lycopeneの血糖値低下作用(3T3-L1細胞の脂肪細胞への分化で検討)の準備と予備的実験は開始した。まずcontrolであるall trans lycopeneに本作用があるか検討したところ、10 uM程度で脂肪細胞への分化促進作用(血糖値低下作用)があることが始めて確認できた。All trans lycopeneでの再現性を確認後、各cis lycopeneが同作用を有するかについて検討を開始したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は初年度であり、研究に必要な各cis lycopene、比較のためのall trans lycopeneの大量精製とin vitro生物活性試験の開始が目標であったが、上記については予定通り達成することができた。またall trans lycopeneが3T3-L1細胞の脂肪細胞への分化を促進する作用も始めて確認することができた点も期待通りの進捗と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはまだ完了していない各cis lycopeneのin vutro生物活性試験を完了させたい。その後、in vivo評価用に1 g程度のcis lycopeneを調製したいと考えているが、この点は現在のボリュームアップで達成することは難しい印象があるため、cis lycopeneの調製方法について検討を加えていきたい。Cis lycopeneに関する研究が完了次第、組換え大腸菌で調製可能な希少カロテノイドのcis体調製、in vitro生物活性検討へと進める予定である。
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