2020 Fiscal Year Research-status Report
Studies on pharmaceutical activities on cis carotenoids contained in foods.
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19K05934
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
新藤 一敏 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80350180)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | cis lycopenes / cis astacene / cis semi-astacene |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に主に実施したトマトペーストからのall trans lycopeneの精製→all trans lycopeneのCH2Cl2中での加温、加熱による各種 cis lycopenesの調製→シリカゲルHPLC分取による各cis体の精製→一重項酸素消去活性、3T3-L1細胞分化促進活性(糖尿病改善活性)の研究については、2020年度初めに研究が完了したので、日本油化学会の英文学会誌であるJ. Oleo Sci.に投稿し、無事受理された(Y. Sakemi, K. Sato, K. Hara, M. Honda, K. Shindo. Biological activities of Z-lycopenes contained in food. J. Oleo Sci. 69 (11) 1509-1516 (2020). https://doi.org/10.5650/jos.ess20163)。本報告で、トマトを材料とする食品中に含有される主なcis lycopenes (5Z-, 9Z-, 13Z-)について、初めてそれらの生理活性(一重項酸素消去活性、3T3-L1細胞分化誘導活性(抗糖尿病活性))を報告し、各cis体はすべてall trans lycopeneと同等の生理活性を有することを明らかにすることができた。これらcis lycopenesは多くの調理物に含有されている成分であり、生体内への吸収はall trans lycopeneより優れていることも判明しているので、その生理活性について報告できたことは大変意義深いものであると考えている。また本報告の中では、13C NMRデータからの簡便な各cis体の見分け方についても紹介したが、この方法は見分けの難しいこれらを簡便に判定する方法として有用であると考えている。さらに本報告ではcis lycopenesの人工的な調製法を示したが、本方法によってこれらcis lycopenesを効率的に調製できる情報を伝えられたはずである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度後半からは、優れた抗酸化活性が報告され、現在非常に注目されているサプリメントでもあるall trans astaxanthinの類縁化合物であるall trans astacene, all trans semi-astaceneのcis体調製研究に以降して研究を進めている(これらcis体の天然での存在は判明している)。All trans astacene, all trans semi-astaceneについては、当初石川県立大 三沢教授から組み換え大腸菌を入手して行う予定であったが、予備的に販売されているいくつかのastaxanthinサプリメントを分析したところ、大量にall trans astacene, all trans semi-astaceneのエステル体を含有するものを見出した。そこで昨年度はここから、けん化→二相分配→分取シリカHPLCでそれぞれのall trans体を調製中である。現在それぞれ100 mg程度の純品が得られたので、cis lycopeneの実験を参考に、CH2Cl2中でのcis体への効率的な変換方法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度前半には、それぞれ10 mg程度のcis astacene, cis semi-astaceneの純品が得られる予定であるので、これらを用いて、一重項酸素消去活性、3T3-L1細胞分化促進活性(糖尿病改善活性)を行う。また本テーマ提案で行った組換え大腸菌からの希少カロテノイド生産→cisカロテノイド調製研究としてはcapsantin(赤ピーマンに含有)あるいはfucoxantin(のりに含有)といった優れた生理活性を有する希少カロテノイドのcis体調製→生理活性検討まで実施して、最終年度の研究を完了させたい。
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Causes of Carryover |
予定通りに使用した結果生じた端数及び戻入額の計161円については、2021年度にcisカロテノイドを分析・精製するための溶媒代の一部として使用する。
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