2022 Fiscal Year Annual Research Report
Endolysosomal dynamics involving microautophagy
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19K05950
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 洋 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50212329)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エンドソーム / HOPS/CORVET複合体 / 初期発生 / V-ATPase / 上皮組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
多細胞体制の構築は、単層上皮の形成を必須とする。マウス初期胚の単層上皮の形成と機能維持に、エンドソームをはじめとする細胞内小胞輸送機構、ならびにエンドソーム・リソソームの内腔酸性化が必須であることを遺伝子改変マウスの表現型から明らかにしてきた。初期エンドソームから後期エンドソームへの成熟に関わるCORVET複合体のサブユニットmVam8の欠損胚は受精後5日目、卵筒胚を形成した時点で発生が停止する。このとき、胚体外外胚葉(ExE)を規定する転写因子Cdx2やEomesの発現が特異的に欠失する。この表現型はmTORC1の欠損で引き起こされる表現型とよく似ており、実際、mVam8欠失胚ではmTORC1が自身の基質(S6K, 4E-BP1)にシグナルを伝えていないことが示された。mTORC1からCdx2の転写に至るシグナル経路は明らかにされていない。今回、ExEで発現する転写制御因子がmTORC1によって活性化されることを見いだした。初期胚でのシグナル伝達の観察のみでは不十分であり、Trophoblast stem cell (TSC)での検証が必要と考えているが、TSCでの結果は本転写因子の寄与は見られておらず、さらなる検討を必要とする。 これと平行してExEや他の上皮組織で発現する、オルガネラ酸性化に寄与するプロトンポンプV-ATPaseの検索をおこなった。V-ATPaseのサブユニットaにはa1~a4の4つの異なる遺伝子座にコードされるイソフォームがある。初期胚ではシングルセルRNAseqの解析が行われていないため、古典的なin situ hybridizationと免疫染色による観察が必要である。初期胚(E5.5)の臓側内胚葉、エピブラスト、ExEではそれぞれ異なるイソフォームが発現していることを見いだした。
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