2021 Fiscal Year Research-status Report
Molecular Breeding of next generation Super-Agrobacterium for broad host range
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19K05964
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野中 聡子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50580825)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アグロバクテリウム / 形質転換 / エチレン / GABA / サリチル酸 / 植物ーアグロバクテリウム相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、植物への形質転換効率の向上を目指したアグロバクテリウムの改良である。これまでの研究において、アグロバクテリウムを介した形質転換では、アグロバクテリウムを植物へ感染させる際に、植物から発生する植物ホルモンのエチレンや低分子アミノ酸の一つであるγアミノ酪酸(GABA)が遺伝し導入を抑制することが明らかになっている。この結果、形質転換効率を低下させる。これまでに、アグロバクテリウムの感染時に植物から発生するエチレンを抑制するために、エチレン前駆物質であるACCを分解する酵素、ACCデアミナーゼ(AcdS)をアグロバクテリウムに付与した。また、同様にアグロバクテリウムの感染時に植物に高蓄積するGABAを分解する酵素、GABAトランスアミナーゼ(GabT)活性をアグロバクテリウムへ付与した。この結果、それぞれのアグロバクテリウム菌株を用いた場合それぞれ活性のない対照区と比較して遺伝し導入が促進され、形質転換効率が向上した。 今年度は、アグロバクテリウムの感染時に植物から発生するサリチル酸に注目し、これを抑制する能力を付与すること、植物の免疫機構を打破するシステムをアグロバクテリウムへ付与することに取り組んだ。具体的にはサリチル酸分解酵素(NahG)遺伝子を用いたベクターを構築した。この際に従来用いていたlacプロモーターより高発現でかつ共存培養時にのみ発現するプロモーターを用いることとする。また、植物免疫打破タンパク質について利用する候補を選定した。 AcdS、GabTも同時に発現させる際にlacプロモーを用いていたが、単独発現の場合比較して遺伝子発現量及び活性が1/3程度に低下していた。この原因は同じプロモーターを同時に利用したことにあると考え、今年度はプロモーターを改良したベクターを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由 コロナ禍ということもあり、ともに実験を遂行する学生がほとんど実験をすることができなかった。 植物免疫機構を抑制する病原菌のシステムをアグロバクテリウムへ導入する項目についても複数種類あるため、それぞれ遺伝子を単離し、順次試す予定である。また、国際共同研究加速基金に採択いただいているので、海外の共同研究者と協力しながら、研究を加速度的に推進する。次年度は共同研究先へ渡航し、研究を推進する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
アグロバクテリウムの感染時に植物から発生するサリチル酸を除去するために、サリチル酸分解酵素遺伝子(NahG)をクローニング、アグロバクテリウムへ導入する。アグロバクテリウム内で活性が維持されるか測定する。 植物免疫打破タンパク質HopAdおよびAvrPto遺伝子をそれぞれクローニングし、アグロバクテリウムへ導入する。この際に、これら2つはシュードモナス菌由来であり、シュードモナスの持つタイプ3型分泌系を経由して植物細胞内へ輸送される。一方で、アグロバクテリウムが持つ輸送系はタイプ4型分泌系である。そのままではうまく機能しない可能性もあるので、アグロバクテリウムのタイプ4型分泌シグナルを付与したフュージョンを設計する必要がある。今年度は、フュージョンしたタンパク質の設計とフュージョンさせた後機能することについて、検証する。これまで作成していたエチレン合成抑制ACC deaminase活性付与、GABA合成抑制GABA分解酵素活性付与について同時に付与した場合、発現が低下することがあった。発現低下を抑制し、より効果的に形質転換効率を促進することを目指し、プロモーターを改変することも試みている。また、アグロバクてリウムから植物細胞への輸送シグナルを融合することにより、これらの酵素活性を植物細胞内へ移行させた場合、更なる効果が期待できるので、それについて挑戦する。アグロバクテリウムについて、発現を強化するベクターの構築にも取組んでいる。ベクターの作出が終わったので、遺伝子発現レベル、酵素活性レベルを確認し形質転換効率が向上するかどうかについても確認していく予定である。 作出したスーパーアグロバクテリウムver.4については国内3件、国外4件問い合わせがあり、それぞれ配布している。今後も引きつつき配布作業を続けていき、多くの植物種でのスーパーアグロバクテリウムの有効性を検討していきたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた出張が無くなったり、大学への出勤抑制などがあり実験が十分にできず物品購入が予定よりも少なかった。植物材料を準備するための農業資材を購入する。また、令和3年度に研究が推進しなかったので、アグロバクテリウム改良用と植物への形質転換用ベクターの合成を外部委託し、研究の効率化を図る。また、シーケンス解析についても外部委託する予定である
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