2019 Fiscal Year Research-status Report
花粉数を制御する遺伝子ネットワークの解明と作物への応用
Project/Area Number |
19K05976
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
角井 宏行 新潟大学, 自然科学系, 特任助教 (60783199)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 花粉数 / CRISPR/Cas9 / ゲノムワイド関連解析 / シロイヌナズナ / コムギ / スギ |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナの花粉数を制御する遺伝子REDUCED POLLEN NUMBER1(RDP1)を同定し、これに関する論文を仕上げ、Nature Communications誌に受理された(Tsuchimatsu and Kakui et al. (2020) Nat. Commun. 11:2885)。このRDP1遺伝子を手がかりに野生型とRDP1変異体のTranscriptome解析を行い、発現量に差のある遺伝子についてゲノム編集を行い、これら候補遺伝子についての遺伝子機能破壊株を作出した。これら変異体の花粉数を計測したところいくつかの変異系統について花粉数に変化がある可能性があることがわかった。現在、これらの遺伝子について詳細に解析を行い、実際に花粉数に関わっているかどうかを明らかにする予定である。また、花粉数を効率的に計測するプロトコルを開発し、このプロトコルについて論文を執筆し、Methods in Molecular Biologyに投稿し、受理された(Kakui et al. (2020) Pollen and Pollen Tube Biology: Methods in Molecular Biology, 2160:1-11)。さらに作物への応用に向けて、現在コムギとスギに関して花粉数に関わる遺伝子の同定に向けて解析を行なっている。2020年度より新たに先進ゲノム支援制度を受けることができることになったため、本支援制度も有効に活用しながら本科研費研究をさらに進めていく予定である。さらに本研究によるCRISPR/Cas9変異体を多数作出する過程で新規の遺伝子解析技術を開発したため、この内容をまとめ、国際特許を出願した。今後はこの技術についての論文を執筆し国際学術誌に投稿を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
執筆していた論文2報について論文が受理されたこと(Tsuchimatsu and Kakui et al., Nature Communications (2020) 11:2885, Kakui et al., Pollen and Pollen Tube Biology: Methods and Protocols, MIMB Humana Press (2020) 2160:1-11)、この研究を手がかりにさらに追加の論文の執筆を進めていること、新たな論文に向けての研究が進んでいることから、研究は当初の計画以上に進展していると考えられる。さらに2020年度からは追加で先進ゲノム支援制度を受けることができることができるようになったため、今後さらに研究が進展することが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は1. シロイヌナズナの花粉数に関わる遺伝子のさらなる解析、2. コムギにおける花粉数に関わる遺伝子の同定に向けての解析、3. スギにおける花粉数に関わる遺伝子の解析、4. 新規の遺伝子解析技術の開発と論文の投稿について研究を行なっていく。 1.シロイヌナズナの花粉数に関わる遺伝子のさらなる解析については、すでに候補遺伝子は絞り込み済みであり、これら遺伝子についてさらに解析を進め、実際に花粉数に関わるか明らかにしていく 2.コムギにおける花粉数に関わる遺伝子の同定に向けての解析については、まずコムギ の花粉数計測法を確立し、コムギ の系統間で花粉数に違いがあるかを明らかにしたのち、花粉数に関わる遺伝子の単離を試みる 3.スギにおける花粉数に関わる遺伝子の解析については、候補遺伝子座の絞り込みを行い、候補遺伝子が得られた場合はその遺伝子について詳細に解析を行い、花粉数に関わるかどうかを明らかにしていく。 4. 新規の遺伝子解析技術の開発と論文の投稿については、すでに技術は確立しているため、今後は論文の投稿と掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
昨今の状況により会議1件が取りやめになった関係でその分の旅費が不要になった。この会議に関して次年度に振替の会議を予定しており、この費用を使用する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Adaptive reduction of male gamete number in the selfing plant Arabidopsis thaliana2020
Author(s)
Takashi Tsuchimatsu, Hiroyuki Kakui, Misako Yamazaki, Cindy Marona, Hiroki Tsutsui, Afif Hedhly, Dazhe Meng, Yutaka Sato, Thomas Studler, Ueli Grossniklaus, Masahiro M. Kanaoka, Michael Lenhard, Magnus Nordborg and Kentaro K. Shimizu
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 11
Pages: 2885
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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