2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K05980
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
津田 勝利 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 助教 (30756408)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 野生イネ / 穂分枝形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
花序の分枝数は種子の終了に直結する重要形質である。栽培イネOryza sativaは祖先の野生イネO. rufipogonに比べ穂分枝数が多く、栽培化の過程で種子数を増加させた主要因と考えられるが、どのような自然変異に起因して分枝数が増えたのかは不明である。本研究では野生イネが持つ強力な分枝抑制因子Uniaxial(Ux)の分子実体解明とそこに生じた自然変異を解析し、野生イネが本来どのような穂分枝制御機構をもち、またそれがどのような変遷を遂げたかを明らかにする。 1. 本年度はUxの表現型のばらつきにおける環境要因の影響を調査した。夏期水田(水温25-30度)では概ねマイルドな表現型を示したのに対し、冬期温室栽培(水温18-25度)では非常にシビアな表現型を示すことがわかった。また、夏期水田においても、水温の低いエリアで栽培した個体はよりシビアな表現型を示す傾向があることがわかった。 2. 上記の結果を受けて、シビアな表現型が現れる栽培条件でトランスクリプトーム解析に向けたサンプリングをおこなう条件が整った。 3. UxのPresense/Absense Variation (PAV)解析をより多くの野生イネ系統について行い、Oryza rufipogonだけでなく、他のAAゲノム種における分布まで明らかにすることができた。 4. Uxと野生イネとのBC2F2及びBC3F2集団を用いてSuppressor of Uniaxial(Su)のポジショナルクローニングを進めた。Suは10番染色体上に位置する顕性の単一遺伝子座の因子であることが明らかとなった。
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