2022 Fiscal Year Research-status Report
ダイズの一斉登熟性を引き起こす窒素再転流の制御機構
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19K05999
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
鄭 紹輝 佐賀大学, 農学部, 教授 (90253517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 大輔 佐賀大学, 農学部, 准教授 (80721274)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダイズ / 一斉登熟性 / 老化 / 窒素転流 / シンク・ソース関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ダイズの一斉登熟性に関わる窒素制御機構を明らかにする目的で、2022年度では、2021年度の実験の再現性確認及び窒素と炭素の相互作用を明らかにする目的で実験を行った。窒素栄養供給の増減に併せて炭素制御ではソース削減処理として剪葉処理及び遮光処理を行い、またシンク増大処理としては植物ホルモンのサイトカイニン給与処理も行った。 シンク/ソースのバランス実験では、低窒素及び低炭素区では一斉登熟傾向、高窒素及び高炭素区では青立ち傾向を示したが、組合せ処理では低炭素(摘葉)にも関わらず、高窒素で青立ち傾向を示した。一方、高炭素(摘莢)では低窒素によってわずかに老化が進んだ程度でした。摘莢の強度が強すぎたように考えられた。遮光処理では、遮光強度が強すぎたため、シンクとなる莢数も減り、ソース減の効果は得られなかった。また、シンク増強目的の植物ホルモン処理では、栄養成長過剰により、目立った効果が得られなかった。これらの点については次年度に継続試験を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、ダイズの一斉登熟機構を窒素と炭素の需給バランスから解明しようとしており、これまでシンク・ソースのバランスの崩れによる葉の老化遅延は炭素よりも窒素が主導的な役割を果たしていることを明らかにし、また、それにかかわる候補遺伝子もいくつか突き止めてきたが、その効果の確認までは至っていない。この2年間コロナ感染症の関係で一部の実験および成果発表が実施できなかった。今年度はこれまで遅れていた実験を実施し、成果の取りまとめに尽くしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
一斉登熟現象において、窒素の多寡と炭素の多寡の相互作用をより明らかにするとともに、関連成果を取りまとめて国際学会並びに論文発表する。
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Causes of Carryover |
前年度はコロナ感染症の影響で実験規模縮小があり、また、予定していたダイズ国際学会も順延になった。 今年度は前年度の継続実験を完成させ、国際学会に成果発表を行う予定で、残額をそれらに充てる予定である。
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Research Products
(1 results)