2019 Fiscal Year Research-status Report
西南暖地における飼料用ダイズの多回刈り技術の基礎的研究ー刈取り高さと踏圧回数ー
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19K06000
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| Research Institution | University of Miyazaki |
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Principal Investigator |
石垣 元気 宮崎大学, 農学部, 講師 (80584573)
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2019-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 飼料用ダイズ生 / 多回刈り技術 / フクユタカ / 小浜大豆 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，南九州・沖縄において，多回刈り飼料用ダイズ生産体系の確立を上位目標とし，その第一段階として，フクユタカ，小浜大豆(以後，コハマと記載)および秣食豆公503(以後，秣食と記載)を用いて，異なる刈取り高さにおける再生性を中心に調査した．
1回目刈取り直前の生育段階は，フクユタカは V6（栄養成長），コハマはV4（栄養成長）であった．一方，秣食はR1（生殖成長）であった．子葉節高さ(平均)は，フクユタカは8.6cm，コハマは6.0cm，秣食は3.9cmであった．1回目刈取り後，再生葉が確認できた個体の分枝節数(平均)は，フクユタカは，低刈り区で1.8，高刈り区で3.6， コハマは低刈り区で2.0，高刈り区で3.4であった．一方，秣食はいずれの刈取り区も再生しなかった．
再生程度はフクユタカおよびコハマのいずれも，高刈り区が有意に高かった(P < .05)．フクユタカ(両処理区)およびコハマ(高刈り区のみ)は成長し，1回目刈りとりから50日目にはR5(フクユタカ)またはR6(コハマ)まで生育した．２回目刈取り時の合計乾物収量は，フクユタカ(低刈り区で12.6g/個体，高刈り区で26.2g/個体)およびコハマ(低刈り区で4.3g/個体，高刈り区で21.2g/個体)の両品種・系統とも高刈り区が有意に高かった(P < .05)．
以上の結果から，フクユタカおよびコハマでは，南九州では2回刈取りを行うことができた．これらの品種・系統が再生したのは，中晩生～晩生で，1回目刈取り時には，栄養生長であり，子葉節高さ(平均)が刈取り高さよりも上に位置していたことが要因であると考えられた．
今後，暖地型イネ科牧草との混播条件下や，大型機械での踏圧条件下での再生性を調査する必要がある．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の上位目標である多回刈り技術の確立を達成するためには、まず、ダイズの再生が可能となるような刈取り方法を明らかにする必要がある。今年度の研究によって、中晩生～晩生のダイズ系統を、子葉節位置よりも高い位置で刈取りを行えば、再生が可能であることを明らかにした。このことから、現在までの進捗状況としては、概ね順調に進展していると評価した。
また、飼料用ダイズの成長を大きく阻害する要因として、コガネムシ類による食害が危惧される。このことを踏まえ、今年度は、コガネムシ類を無農薬で管理する方法として、LED光によるコガネムシ類の誘引性について、緊急的に基礎的調査を行った。得られた基礎的知見は、来年度に追加課題として取り組む計画である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究によって、中晩生～晩生のダイズ系統を、子葉節位置よりも高い位置で刈取れば、再生が可能であることを明らかにした。一方で、これらの再生性・再生程度は、暖地型イネ科牧草との混播条件下や，大型機械での踏圧条件下で大きく左右されるものと推察される。また、飼料用ダイズを加害（食害）するコガネムシ類に対する無農薬管理法を合わせて確立する必要がある。
このことから、今後の研究の推進方策として、
１）暖地型イネ科牧草との混播条件下および大型機械での踏圧条件下における再生性の調査
２）LED光誘殺装置を使った、コガネムシ類への誘殺効果の距離に関する調査
の２本を計画している。
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| Causes of Carryover |
当該年度の研究課題の目標が達成した時点で、これ以上に購入する物品等が発生しなかっため、次年度への繰越しを判断した。しかしながら、極めて小額の繰越し額であるため、今回の繰越しによって、次年度の予算使用計画に大きな変更は生じない。
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Research Products
(1 results)
