2020 Fiscal Year Research-status Report
Research for cultivation methods of Kudzu and development of quality evaluation method for stable supply of high quality in pueraria root.
Project/Area Number |
19K06001
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松尾 光弘 宮崎大学, 農学部, 講師 (30315361)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 薬用植物 / クズ / カッコン / 光環境 / デンプン含量 / イソフラボン含量 |
Outline of Annual Research Achievements |
生薬カッコン(葛根)の原料である薬用植物クズについて,国内生産のための栽培技術の確立とその中での高品質栽培環境を明らかにすることを目的として研究を進めた。その中で,2020年度はクズの栽培環境要因とカッコン中のイソフラボン含量との関係,多収となる効率的な栽培方法の解明に取り組んだ。 まず,クズの栽培環境要因とカッコン中のイソフラボン含量との関係について,光の有無(遮光・無遮光)下でクズを栽培した場合の根系形成および根中の成分分析を行った。その結果,草丈あるいは主茎長は光の影響による差異が認められなかったが,地上部生体重は無遮光下で有意に重かった。主根直径は,無遮光下の場合に遮光下と比較して太くなる傾向があり,一方地下部乾物重あるいは主根体積は遮光下の場合に無遮光下と比較して減少した。クズ根中のデンプン濃度は光の有無による差異が見られなかった。 多収となる効率的な栽培方法について,塩ビパイプでの垂直栽培,畦に自然薯栽培用クレバーパイプあるいは雨樋を斜めに設置した畑栽培を行った。その結果,地上部の生育は垂直栽培の場合に旺盛であったが,根系形成については雨樋による栽培が有効であった。一方,クレバーパイプでは根がパイプ途中から逸脱して根をうまく回収できなかった。また,垂直栽培では根域が制限されていたことにより根の直径が太い傾向が見られた。 一方,カッコン中のイソフラボン含量の分析については,プエラリンおよびダイゼインのそれぞれの物質毎の含有量を求めるまでには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
栽培環境要因の中で,土壌水分調整による栽培試験では,実験実施予定であったビニールハウスが台風により被害に合い,土壌水分調整を制御できなかった。また,サンプルは多く揃ったがイソフラボン含量の分析については未実施である。
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Strategy for Future Research Activity |
栽培環境要因の中で,土壌水分調整による栽培試験を中止し,栽培条件と根系形成との関係を中心に研究を進める。特に,実際の圃場条件下においてクズを栽培した場合の根系形成と機能性成分の含量との関係を明らかにすると同時に,塩ビパイプの長さを調整した垂直栽培を行い,根系肥大の要因および機能性成分の含量との関係を解明する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスによる影響により研究が十分に遂行できず,特に消耗品の購入あるいは旅費が捻出できなかったこと,また令和元年度からの差額があることから,令和3年度においては成分分析を中心として,さらに可能であれば成果報告あるいは情報収集のための旅費としての利用を計画している。
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