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2020 Fiscal Year Research-status Report

Study of on-tree nondestructive judgement of internal disorders and maturation of peach fruit by an acoustic vibration method

Research Project

Project/Area Number 19K06018
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

福田 文夫  岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60294443)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 河井 崇  岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (90721134)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords音響振動法 / 果実生理障害 / 非破壊判別 / 収穫熟度評価 / モバイル型音響装置 / 核割れ / 水浸状果肉褐変症
Outline of Annual Research Achievements

1点接触式の音響振動装置を用いて、2点接触式のものと、モモの核割れの検出について、前年度に継続して比較を行った。その結果、2点接触式と同様の判別様相を示し、核割れ判別が果実肥大を再開した6月末以降に90%以上の精度で可能であり、判別の実用時期を7月初めに設定できることを明らかにした。
そこで、機器判別を利用し核割れ果を混入を減らす摘果の実用性を確認するために、モモ‘清水白桃’3樹をモバイル型1点式音響振動装置を用いて7月4日に判別し、×と表示される核割れ果を取り除いたところ、収穫された果実は、いずれの木も90%以上が正常な果実となり、収穫果のロスを減らすことに貢献することが明らかとなった。
また、モモの果肉障害の「水浸状果肉褐変症」の樹上での発生過程を音響振動機器による継続調査から明らかにすることを試みた。モモ‘白鳳’を供試して、7月初めから7月20日付近の収穫時期にかけて、120果の共鳴周波数を調査したところ、収穫時に水浸果となった果実は、7月10日の降雨後に、急激に共鳴周波数が低下し、収穫時まで低く推移することが明らかとなった。なお、収穫時に共鳴周波数が800Hzを下回ると、程度の強い水浸症状が認められたことから、800Hx以上で収穫することで水浸果の混入を抑制できる可能性が考えられ、来年度に閾値を設けた収穫を検討する。
さらに、収穫時期がわかりづらいモモの晩生品種について、共鳴周波数による熟度評価が可能かを調査した。モモ‘白麗’と‘白皇’を供試し、果実熟度が異なるように一斉収穫して、果肉硬度や他の果実品質と共鳴周波数の関係をみたところ、どちらの品種も果肉硬度と共鳴周波数の間には有意な正の相関があり、また共鳴周波数が高いと、糖度も低く、数日で軟化しなかったことから、果実品質が劣る未熟な果実の選別に用いることができることが示された。今後、これらの閾値の普遍性を確認する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

生理障害判別における1点式音響装置の精度の把握を、2年に渡って確認することができ、有効性は評価できた。その成果を適用して、核割れ果の除去を目的とする機器判別摘果の実用性も検討を進めることができ、熟度評価の結果とともに、学会報告も行った。来年度も同様に実験することで、その有効性を明確に表すことができると考えている。水浸障害についても、樹上での変化時期を見出すことができたことから、非破壊判別手法のメリットを生かして、機構解明の基礎的資料を作出できると考えている。
熟度評価についても、収穫不能な未熟状態における共鳴周波数の閾値を見出せていることから、その普遍性を確認していくことで、収穫技術への応用も可能となると考えられた。
以上のように、非破壊判別のメリットを生かせ、生理障害判別や熟度評価の研究が順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

生理障害の判別については、継続調査をしている果実で、共鳴周波数の変化が生じた直後に果実をサンプリングして、変化の原因を明らかにすることで、何を捉えているかを明確にしていく。また、核割れについては、発生時期によって、生理的落果につながったり、品質低下を引き起こす場合があると考えられることから、発生時期と果実発育との関連を検討していく。現在、ポット植えの個体を養生しており、施肥や土壌水分含量を変えて、核割れの発生への果実サイズの影響を確認し、音響装置で発生時期をモニターする。
熟度評価の方は、樹上でモバイル型を用いて、熟度変化を捉える研究を進める必要があると考えていて、翌年度以降の研究に組み込んで行く。
モモ果実生産への障害判別や熟度評価の実用性の検討では、見出した閾値の普遍性や安定的な測定を行えるようにして、機器判別の利用を促せるデータを提供できるようにする。

Causes of Carryover

今年度は、コロナウィルス感染拡大防止の観点から、学会出張や音響装置開発の生物振動研究所へのデータ検討出張ができず、オンラインで実施して、余剰が生じた。また、エチレン測定などに利用しているガスクロマトグラフ装置の整備にかかる費用が抑えられたため、翌年度に繰り越しした。
翌年度においては、モモ樹の個体育成に要する経費や、追加を必要としている音響装置の消耗品の購入、先日、不調となった果肉サンプルを保存する極低温フリーザーの購入に支出する計画を、翌年度分の請求した助成金での実施に加えて考えている。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] モモ果実の核割れ発生や熟度の把握への一点式センサーによる音響振動法の利用可能性2021

    • Author(s)
      福田文夫、河井崇、猪原豪、西口杏奈、市岡智也、吉村諒介、高嶋樹、平野健、櫻井直樹
    • Organizer
      園芸学会令和3年度春季大会
  • [Presentation] 核割れがモモ’清水白桃’の果実成熟に及ぼす影響2021

    • Author(s)
      市岡智也、河井崇、池田朱里、大橋民、猪原豪、中野龍平、福田文夫
    • Organizer
      園芸学会令和3年度春季大会

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Published: 2021-12-27  

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