2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on slowing down in the later stage of tomato fruit enlargement
Project/Area Number |
19K06020
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
片岡 圭子 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (80204816)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トマト / 果実肥大 / 低温 / 果皮の機械的強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,これまで着目されてこなかったトマト果実発達後期における肥大速度の低下現象について,‘Micro Tom’を供試し,着果後380℃日を目安に温度・塩ストレス・エスレル処理を開始し,果皮の機械的特性・乾物増加・糖代謝酵素活性について検討した. ・低温管理:398℃日から低温(20/8℃)および高温(32/14℃)処理を行った.低温区では着色までの日数が長くなり、着色以降も乾物流入を伴う肥大が続き,赤熟時には高温区よりも大きくなることが示された。果実の乾物率に有意差はなく,低温区ではシンク活性が維持されていると考えられたが,糖代謝酵素活性は高温区で高い傾向がみられ、低温区でのシンク活性に関係する酵素は明らかではなかった。果皮を短冊状に切り出して試験片とし,引張試験により機械的特性(果皮硬度,破断時応力,歪率)を評価したところ,低温区では成熟の進んだ段階でも果皮の可塑性が高いと考えられ,果皮の可塑性が水分流入に対する果実の抵抗を減じている可能性が考えられた。 ・エチレン処理:早期(380℃日),中期(550℃日),後期(670℃日)にエチレン処理を行った.処理後3日目の果実肥大速度が小さくなる傾向が認められたが,1週間後には回復し,最終的な果実重に大きな違いはなかった.各処理3日後に果皮試験片について引張試験を行った.成熟に伴う果皮の硬化は起きたが,エチレン処理によって直後に果皮硬化が引き起こされることはなく,3日目の果実肥大速度低下の原因とは考えられなかった. ・塩ストレス:早期(380℃日)または中期(560℃日)から底面給水法により塩処理(50 mM)を開始した.処理開始1週間で果実肥大は抑制された.果皮硬度の上昇は,早期区で処理後2週間目,中期区で処理後1週間目であり,果実肥大速度の低下の原因とは考えにくい.乾物率は塩処理により増加し,水分流入の制限が示された.
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