2021 Fiscal Year Annual Research Report
四季咲き性キンモウツツジの花芽非休眠性の後代への遺伝とSVP遺伝子との関係
Project/Area Number |
19K06036
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
嬉野 健次 琉球大学, 農学部, 教授 (10333759)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 花芽休眠 / ツツジ / 開花期間 / SVP |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄のような亜熱帯地域で花芽が非休眠性の個体を栽培する場合,花芽形成と開花が連続的に起こり,開花期間が長くなることが考えられる.そこで,本年度はツツジ花芽非休眠性個体における開花習性を明らかにするために,非休眠性のキンモウツツジ(OLD1)(種子親)と休眠性のミヤマキリシマ(KIU1)との交配で得られたF11個体を花粉親にして別のミヤマキリシマ(KIU2)を戻し交配したBC1実生30個体の開花性を調査した.その結果,第1開花日および平均開花日は,いずれのBC1個体も昨年の結果と大きな違いがなく,遺伝的に安定している形質であることが確認された.各個体の第一開花日から最終開花日までの開花期間については,交配親,F1,BC1実生とも第一開花日の早い個体ほど開花期間が長くなる傾向がみられた.これは,第一開花日が早い個体は非休眠性を示し,沖縄の冬季温暖な環境下では枝の伸長,花芽形成および開花を連続的に示すことによると思われた.一方,第一開花日が遅い個体は,休眠打破が必要なため,開花期間が短くなると思われた.次に花芽休眠性とSVP遺伝子の遺伝性との関係を明らかにするために,SVP遺伝子部分配列をPCRにより増幅し,制限酵素BalⅠで処理するPCR-RFLP分析を行なった.その結果,第一開花日が早いBC1個体の多くはキンモウツツジ由来のSVPを持っており,遅い個体の多くは持っていなかった.このことから,非休眠性とSVP遺伝子の遺伝そのものとの関連性が考えられた.
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