2020 Fiscal Year Research-status Report
カーネーションの枝変わりを利用したエチレン応答機構の解明
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19K06043
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
棚瀬 幸司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, グループ長補佐 (30355713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野崎 隆 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, グループ長補佐 (90355719)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カーネーション / 網羅的発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度にひとつのカーネーションの花において「エチレン応答が通常」の赤色の花弁と「エチレン応答が低下している」オレンジ色の花弁からそれぞれRNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いて網羅的な発現解析を行った。 今年度は、これまでの網羅的な発現解析が想定通りに進行しているかを検証するためにアントシアニン生合成に関連する遺伝子の発現を調査した。4種類のアントシアニン合成に関わる遺伝子(chalcone synthase、chalcone isomerase、flavonol synthase、2-hydroxyisoflavanone dehydratase)の発現量が2倍以上異なっていた。カーネーションの花弁においてchalcone isomeraseは赤色とオレンジ色で発現量が異なることが報告されており、今回の発現解析でも同様の結果が得られたことから網羅的な発現解析は想定通りであると考えられた。 赤色の花弁とオレンジ色の花弁で発現量が2倍以上異なる遺伝子を約500個抽出し、アノテーションを基に解析を進めた。抽出した赤色の花弁とオレンジ色の花弁で発現量が異なる遺伝子にはアントシアニン合成遺伝子の他に輸送体や植物ホルモンの合成遺伝子、情報伝達に関わる遺伝子、形態形成に関わる遺伝子、細胞壁の合成遺伝子が複数個得られた。発現量が異なる遺伝子では比較的配列が長い遺伝子が多く抽出される傾向が見られたため、発現解析方法について検討するとともに、個々の遺伝子について詳細に解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスへの対応による出勤制限等によりサンプリングなどに遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き発現解析を行うとともに、発現量に差が見られる遺伝子のゲノム配列の違いを比較する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスへの対応のため出勤制限等が生じ、予定していたサンプリングが行えなかったこと、植物の栽培も縮小したこと、学会や研究打ち合せなどの出張も行えなかったことにより次年度使用が生じた。植物の栽培やサンプリングは予定通り進める。可能になれば学会や研究打ち合せなども積極的に進める。
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