2021 Fiscal Year Annual Research Report
ハスモンヨトウ由来培養細胞における薬剤代謝のミニマム・エッセンシャルの同定
Project/Area Number |
19K06044
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
菊田 真吾 茨城大学, 農学部, 准教授 (90718686)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハスモンヨトウ / GST |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ハスモンヨトウ由来培養細胞数株を用いて,薬剤耐性に関わる遺伝子を総ざらいに明らかにすることが目的である.前年度までに,細胞間比較トランスクリプトーム解析を実施し,ピリダリル感受性・抵抗性細胞株間における解毒分解候補遺伝子の絞り込みが完了していた.また遺伝子機能解析のためのトランスフェクション試薬を用いた一過性発現系の構築も完了していた.本年度では,これら遺伝子群による薬剤耐性付与を検証することで,ピリダリル耐性への寄与を実証することを目的とした.候補遺伝子群3つおよびトランスフェクションマーカーとしてGFP遺伝子をコードするオールインワンベクターを作製し、培養細胞に一過的に遺伝子を発現させ,GFP蛍光を示す発現細胞におけるピリダリル添加時の細胞生死を評価した.その結果,ピリダリル耐性の向上が認められたため,導入した候補遺伝子3遺伝子によりピリダリル耐性向上に寄与したと考えられる.次に,これら候補遺伝子の詳細な絞り込みを行った.3遺伝子のオールインベクターを元に,6種類の発現ベクターを作製し,これまで通りに一過性発現と薬剤耐性評価を行った.その結果,ピリダリル耐性には,CYPXXXとGSTYYY(遺伝子名は伏せる)が発現することで,耐性が高まることを見出した.今後は,ピリダリルの修飾部位などの詳細な生化学的解析が必要である.本課題の目的であった薬剤耐性に関わる遺伝子群の網羅的同定には至ったと言える.
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