2019 Fiscal Year Research-status Report
圃場と流通における各種ブドウウイルス感染の疫学的考察と対策体制の設立
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19K06049
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
荷田 瑞穂 信州大学, 経法学部, 特任准教授 (40831954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿取 みゆき 信州大学, 経法学部, 特任教授 (70774321)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ブドウウイルス / 苗木 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)日本各地のワイン用ブドウの生産地(長野、山形、北海道、関東地方など)において、比較的感染被害の大きい三種のブドウウイルス(リーフロールウイルス二種、レッドブロッチウイルス)の調査を行うのが目的である。2019年度においては長野、山形よりサンプルを採取している。 2)調査には新規開発されたウイルスサンプルキットを使用する。これは生産者が使用することを前提に作られ、キットにブドウの樹液サンプルを特別なバッファーを用いて染み込ませることによって常温における長期保存を可能にしたものである。2019年度にキットの最適化と日本語によりパンフレットの制作を行った。 3)苗木業者におけるウイルス対策の現状、苗木のウイルス罹患の調査を行い、今後の指針作りに役立てる。2020年1月に講演会と苗木業者との会合を行い、相互の理解を深めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度に達成した項目。 1)ウイルスキットと日本語の説明書の制作。2)長野県、関東地方での圃場にて34件のブドウウイルスサンプルを採取。予定している3種のウイルスのうち、二種類のRNAウイルスについては検査を行い、ただ今、もう一種のDNAウイルスのプロトコルを調整中。3)山形県にて、40件のウイルスサンプルを採取。4)2020年1月に信州大学にて、日本における健康な苗木の必要性をウイルスの被害の実例をもとにしたデータを使った講演会を行う。5)山形県の苗木業者とのミーティングを行い、理解を深めていただいている。
当初の予定では項目1,2の達成を目指していた。2020年度における世界情勢などの現状を鑑みるに、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)検査範囲を北海道、長野近県、そして苗木業者に拡大。 2)DNAウイルス(レッドブロッチ)のプロトコルの最適化。 3)リアルタイムPCR検査のプロトコルの作成。
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Causes of Carryover |
理由:研究者が米国滞在で薬剤などの購入(郵送)が困難であるため、2020年度に使用したサンプルキット、PCR検査を荷田ラボにあった機材と余剰薬剤、また関連した科研費以外の研究費で補ったため、安価に行うことができた。
使用計画:薬剤などの消耗品の購入は継続して関連した研究費から保管し、当初の予算に上げていた機材(遠心機、リアルタイムPCRサーモサイクラー)の購入を行う予定である。ただ今機材の調査を行っている。
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