2021 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the regulation of callose deposition through MAMP-responsive phosphoprotein
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19K06053
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 英譲 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (20598833)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MAMP / カロース沈着 / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
MAMP応答時のMARK2タンパク質によるカロース制御機構の解明に向けて、本年度はMARK2-GFP相補個体を用いた相互作用因子の同定を試みた。作出したMARK2-GFP相補個体はネイティブプロモーターとMARK2ゲノム配列にsGFPを連結したコンストラクトを用いた。MAMP応答時のカロース沈着を指標に、MARK2-GFP相補個体が機能するか確認した。その結果、flg22処理に伴うカロース沈着はMARK2-GFP相補個体で回復したことから、C末GFPタグはMARK2の機能に影響を及ぼさないことが示された。次に、MARK2-GFP相補個体のMARK2-GFPタンパク質の分子挙動を検証した。土壌で生育させた植物個体からMARK2-GFPタンパク質の検出を試みたが、MARK2-GFPタンパク質の検出は困難であった。そのため、液体培地に切り替えたところ、MARK2-GFPタンパク質の検出に成功した。flg22処理は、MARK2タンパク質蓄積を誘導したことから、MARK2遺伝子発現とタンパク質蓄積の挙動の一致を確認した。 そこで、MARK2-GFP相互作用因子の同定を共免疫沈降法で試みた。定法に従い、MARK2-GFPタンパク質を精製し、LC-MS/MS解析を行った。flg22処理に伴う特異的なMARK2-GFP相互作用因子はほとんど同定されなかったものの、複数のMARK2相互作用因子の同定に成功した。興味深いことに、MARK2相互作用因子には、カロース合成酵素と相互作用する因子や、細胞内輸送に関わるSyntaxin family protein、新規プロテインキナーゼが含まれていた。本結果は、MARK2が細胞内輸送を介してカロース蓄積を制御している可能性を示唆しており、当初の仮説を支持する結果となった。
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